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2024年最新中国トレンドワード

更新日:4月14日


グリーンのグラデーション背景に、ピンクやブルーの木に囲まれたスマートフォンに映る中国風の建物のグラフィック画像

2021年には半期ごとに取り上げた中国流行ワード。好評をいただきましたので今年もご紹介します!


2021年のトレンドワードはこちら:


2年ぶりになりましたが、今回は2024年中国トレンドワードをジャンルごとに取り上げます。皆さんはどれだけご存じでしょうか?では、スタートしましょう。



中国のテクノロジートレンド


屋台などが並ぶ通りに並べられた机に座ってスマートフォンを触る人々

1つ目のジャンルは中国のテクノロジートレンドです。2023年は世界中で生成 AI がトレンドとして取り上げられました。中国でも人工知能の発展は著しく、例外ではありませんでした。Microsoft は「Bing(ビング)」、Google は「Google Bard(グーグルバード)」など生成 AI を搭載したサービスを展開していますし、「Midjourney」のように独立した AI プログラムを提供している組織もあります。


中国では主要検索サービスである百度が2023年3月にスタートした対話型 AI文心一言Wén xīn yī yán)」(英語名:アーニーボット)があります。また、アリババは大規模言語モデル通义千问Tōng yì qiān wèn)」、ファーウェイは盘古Pángǔ)」をリリースしました。ほかにもメジャーなサービスだけでも中国ではすでに80もの大規模言語モデルが実用化されているそうです。


ところで、2023年7月に「盘古(Pángǔ)」がリリースされた際に、ファーウェイクラウドのCEOは次のように語りました。


「盘古大模型不作诗,只做事(Pángǔ dà mú xíng bùzuò shī, zhǐ zuòshì)」
意味:盘古は詩は作らない、ただ仕事をするだけだ

ピンインを見ていただくと分かるように、中国語の「詩」と「事」はどちらも「shi」で発音が同じであり、そこにユーモアが込められています。ファーウェイに限ったことではありませんが、中国において AI は「詩」に代表される創造的な活動ではなく、粛々と現実の「事」、課題解決のために使われるべきだ、との見方が表明されています。



中国のインターネットトレンド


中国を街並み通りの両端と奥には中国風の建物が並び、中央を自転車に乗った人々や散歩する人々が行き交う中国の街並みをイメージしたAI生成グラフィック画像。

2つ目のジャンルは中国のインターネットトレンドです。ここでは、中国の若者に人気のインターネットの流行を取り上げましょう。


中国の若者文化を今や代表しているトレンドの1つが「Citywalk」です。中国語では、「城市行走(chéngshì xíngzǒu)」、「城市漫游(chéngshì mànyóu)」とも呼ばれる都市観光形式はもともとロンドンから始まりましたが、都市を歩いたり、自転車で探索したりして、文化や歴史、雰囲気を感じることを指します。


2023年、中国ではインターネットで Citywalk の検索数が前年に比べ約140倍に増加、関連した投稿記事が370万以上シェアされ、動画は45億2,000万回以上再生されたといいます。Citywalk に特に関心が高い層は「00后(2000年以降に生まれた世代)」よりも「90后(1990年以降に生まれた世代)」の働く世代とされています。長い休みをとらなくても、近場で低コストで楽しめる観光の仕方に注目が集まっているのです。


こうした若者のトレンドは、中国のソーシャルメディアでのブランド戦略ともリンクし、中国のオンラインマーケティングの新しい動向を生み出しています。


例えば、レモンティーのブランド「LINLEE」は、Citywalk をテーマにした「洞洞鞋(Dòng dòng xié=クロックスサンダル)」をレモンティー、おもちゃのアヒルとセットにして販売。わずか3日間のキャンペーンでサンダルの予約は30万を超え、中国版インスタ「小红书(Xiǎo hóng shū)」では、「LINLEE洞洞鞋」のハッシュタグが158万以上閲覧され、TikTok では関連動画が3,800万回以上再生されました。



中国のライブ配信


街をバックグラウンドに大きなタブレットが置いてあり、タブレットに映るオンラインショップを眺める女性の背景

2024年の最新中国トレンドワードといえば、中国で急成長しているライブ配信市場(中国直播市場)を取り上げないわけにはいきません。予想値ですが、2023年には約4.92兆円(約93兆5,000億円)にまで達したとも言われています。


ここまで市場規模が拡大している一つの理由はライブ配信のプラットフォームが豊富なことが挙げられます。もっともユーザー数が多いのはアリババグループが運営する淘宝直播Táobǎo zhíbò)」、ほかにも海外ユーザーも多い Tiktok 内のライブ配信機能抖音直播Dǒu yīn zhíbò)」や動画配信プラットフォームのライブ配信サービス「哔哩哔哩直播(Bì lī bì lī zhíbò)」などもあります。


ライブ配信を行うライバーは「主播(Zhǔbō)」と呼ばれ、トップライバーが売り上げる額は桁違いです。特に近年日本でも「買い物の日」として知られるようになった11月11日「光棍节(Guānggùn jié)=独身の日」には、トップライバーたちは一日数億円も売り上げると言われています。


しかし、トップライバーには栄枯盛衰が付き物で、政府の検閲につかまったり、脱税で巨額の罰金が課されたりと、あっという間に姿を消すことも少なくありません。



中国の Vtuber


ステージ上の大きなスクリーンでライブをするバーチャルアイドルと、それを観る観客の人々のシルエット

日本でも急速に拡大している Vtuber 市場ですが、矢野経済研究所の調査によると2022年には520億だった市場規模が2030年までに国内で約1兆円規模に達すると予測されています


Vtuber は中国語で「皮套人(Pí tào rén)」と呼ばれます。Vtuber は実在する人間がアニメで描かれた可愛いキャラクターをまといますが、全くの仮想のアイドルや歌手も増えてきています。こちらは中国語で「虚拟偶像(Xūnǐ ǒuxiàng=バーチャルアイドル)と言います。


バーチャルアイドルの中でも特に有名なのが、「洛天依(Luò tiān yī)」で300万人近くのファンを持ち、2022年の北京冬季五輪開会式でもパフォーマンスを披露しました。この点からも分かるように、中国でバーチャルなオンラインコンテンツに力を入れているのは、エンターテイメント産業だけではありません。中国政府が2021年に発表した五カ年計画でも仮想現実や拡張現実の最新動向を踏まえ、経済のさらなるデジタル化を推進することが示されています



まとめ

いかがだったでしょうか?中国のデジタルトレンドの空気を感じ取ってもらえたでしょうか?中国の AI やスマートテクノロジー、イノベーションは世界とリンクしている部分もありますが、独自の発展や方向性を遂げている部分もあります。


これからも弊社ブログではできるだけ中国の最新動向とトレンドワードを追いかけていきたいと思います。




参考サイト:




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著者プロフィール


YOSHINARI KAWAI


2008 年に中国に渡る。四川省成都にて中国語を学び、約 10 年に渡り、湖南省、江蘇省でディープな中国文化に触れる。その後、アフリカのガーナに1年半滞在し、英語と地元の言語トゥイ語をマスターすべく奮闘。コロナ禍で帰国を余儀なくされ、現在は福岡県在住。

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