ハワイアンウェディングの魅力:伝統と文化、そして現代のトレンドを紐解く
- SIJIHIVE Team
- 4月29日
- 読了時間: 7分

ALOHA!ハワイをエネルギー調整の場として、こよなく愛する翻訳者兼フラ講師の板羽柚佳です。
この上なく碧い海と蒼い空、心地よい風に揺れるヤシの木、そしてどんな人でも受け入れる懐深いアロハスピリット──ハワイは多くの人々にとって「楽園」と呼ぶにふさわしい場所。
今回はそんなハワイでのウェディング、日本人カップルの間でも長年にわたり人気を誇っている、いわゆる「ハワイアンウェディング」について詳しく見ていきます。単なる南国リゾートウェディングとは一線を画す、ハワイの伝統と文化をベースにしながら現代のトレンドも取り入れた、心に残る特別なハワイアンウェディング。いったいどんなものか探っていきましょう。
目次
ハワイの伝統的な結婚式文化

ハワイアンブレッシング(祝福の儀式)
ハワイアンウェディングの最大の魅力の1つ、「ハワイアンブレッシング」と呼ばれる伝統的な祝福の儀式。カフ(Kahu)と呼ばれるハワイの司祭が、ハワイ語のチャント(祈り)やオリ(詠唱)を通じて、自然や神々にカップルの未来を祈願します。
このブレッシングでは、ティーリーフ(Ti Leaf)やハワイ産の塩、水など、自然の恵みが用いられ、スピリチュアルな雰囲気が式全体を包み込みます。宗教にとらわれない自由な形式でありながら、ハワイの精神文化を深く感じることができるため、多くのカップルがこの儀式を取り入れています。
レイ・セレモニー
ハワイの結婚式で欠かせないのが、「レイ・セレモニー」。相手への深い敬意・愛・感謝の気持ちを形にして伝える神聖な儀式として、古くからハワイ文化に根付いている儀式です。レイ(Lei)は、ハワイ語で「首飾り」や「輪」を意味し、自然と人、心と心を繋ぐ象徴とされています。花や葉、貝殻、羽、種子などハワイの大自然の中で生み出された素材を編み込み、身に着けることで、自然のマナ(霊的エネルギー)を受け取るとも言われています。
レイのプレゼントは、歓迎、祝福、別れ、感謝など様々な場面で行われますが、結婚式では「永遠の絆」や「愛の循環」を象徴する行為として非常に重要な意味を持ちます。レイの交換が行われるレイ・セレモニーは挙式中に以下の流れで行われます。
新郎新婦がそれぞれのレイを手に取り、相手の目を見ながら心を込めてかける
→ このときの無言の時間には、愛や感謝、誓いの思いが込められます。
相手の肩にそっとレイをかけたあと、頬にキスを交わす(伝統的な挨拶)
→ おでこや頬を合わせるハワイの挨拶「ホニ(Honi)」が行われる場合もあります。
司式者がレイの意味を解説し、神聖な時間を演出する
→ カフ(Kahu)や牧師が、ハワイ語の祈りとともにレイのエネルギーについて語ります。
レイに使用される植物には、それぞれ意味や伝承があります。ここでいくつかご紹介しておきましょう。
ピカケ(ジャスミン)は純粋な愛、ロイヤルティを意味し、王族に好まれた香り高い白い花。プルメリアは「新しい始まり」や「魅力」を意味し、色ごとに意味が異なります。中でも白は清らかさを意味しています。
オーキッド(蘭)は美しさや優雅さの象徴で、紫や白の気品を感じさせる花。マイレ(Maile)は永遠の絆、平和を意味します。結婚式ではマイレレイを新郎が身に着けることが多い印象です。
この中でもマイレレイは、古代ハワイで高貴な人々に用いられた特別な植物で、結び目を作らず、輪の形状に仕上げないオープンスタイルで首にかけるのが特徴です。これは「つながりを制限せず、自由に広がる愛」を意味するとされています。日本からハワイで挙式するカップルの多くが、レイセレモニーを取り入れる理由には以下のような背景があります。
言葉がなくても想いが伝わる「厳かで神聖な儀式」であること。
花の香りや色合いなど五感で記憶に残る演出であること。
結婚式という人生の節目に、自然への敬意、心と心の絆、そして祝福のエネルギーが込められたレイは、指輪同様、特別な意味を持つアイテムです。

こちらはマウイでリボンレイクリエーター、リボンレイ講師として活躍されている Asaki さんのウェディングの際に撮影された画像です。Asaki さんのインスタグラムアカウントはこちら。
リボンを用いて作られたこちらのレイは色あせることなくそのままインテリアとして楽しむこともできる、次世代の新たなレイのスタイルとして注目されています。ご主人のレイはマイレのオープンスタイルです。
心の調和を大切にする「ホ・オポノポノ」とは?
ハワイの伝統文化には「ホ・オポノポノ(Ho‘oponopono)」という、家族やコミュニティの間で起こる問題や心のわだかまりを解消するための和解・調整の儀式があります。これは、古くから口承で伝えられてきたもので、親族が集まり、導き手(クプナや司祭的な役割の人)のもとで対話を重ね、謝罪・赦し・感謝を通じて心の浄化と再統一を図るという深いプロセスです。
この伝統的なホ・オポノポノは、特に結婚や出産などの人生の大切な節目において、家族間の結びつきを確認し、未来へ向けて良好な関係性を築くために行われることがあります。
なお、現代広く知られている「4つの言葉(ごめんなさい、許してください、ありがとう、愛しています)」を用いた簡略化されたホ・オポノポノは、アメリカ本土出身のヒューレン博士によって広められた自己対話的なメソッドであり、ハワイの伝統的な儀式とは性質が異なります。しかし、どちらも「心の清め」「許し」「つながり」を大切にしている点では共通しており、精神的な癒しとして親しまれています。
現代のハワイアンウェディングのトレンド

ナチュラル&エシカルウェディング
SDGs やサステナビリティが注目される現代、ハワイでも自然との共生を意識したナチュラルウェディングがトレンドです。海岸に打ち上げられた貝殻や流木を用いた装飾、地元のオーガニックフラワーを使ったブーケ、再利用可能な食器類などが選ばれています。
また、地域コミュニティに貢献する意味で、ローカルフードやハワイアンミュージシャンを招くなど、「人とのつながり」を大切にする演出も増えています。


インティメート(少人数)ウェディング
パンデミック以降、少人数での「インティメートウェディング」が定番となりました。家族や親しい友人だけを招き、心からくつろげる時間を共にするスタイルです。ハワイのヴィラや貸切コテージを会場にしたプライベートな挙式は、贅沢でありながらもアットホームな雰囲気が魅力です。
フォトウェディング+ハネムーン
挙式を行わず、フォトウェディングとハネムーンを兼ねた旅としてハワイを選ぶカップルも増えています。ダイヤモンドヘッドを背景にしたショット、ラニカイビーチでの裸足フォト、ハレクラニホテルのガーデンなど、映画のような美しい瞬間が叶うロケーションが揃っています。
まとめ

単なる「南国リゾートウェディング」ではなく、自然との一体感、文化へのリスペクト、そして心の癒しやハワイのマナ(エネルギー)で祝福されるという深い意味が込められているハワイアンウェディング。形式にとらわれず、自分たちらしく人生の門出を味わえそうです。これから結婚を考えている方、ぜひハワイウェディングも候補の1つとして考えてみてはいかがですか?
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著者プロフィール
YUKA ITAHA
テレビラジオ業界でナレーターとして25年、フラ教室主宰15年とエンタメ業界一筋で生きてきたが、コロナ禍をきっかけに長年の夢だった翻訳業務を開始。
ハワイへは年に数回渡航。日々変化していく生きた英語に触れながら、
異文化間の思考の違いや取り組み方の違いを肌で感じ、
その違いを相互理解しながら埋めていくための一助となるべく、目下、邁進中。
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