ハワイの自然療法とは?スピリチュアルと調和した癒しの文化
- 5 日前
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ALOHA!豊かでクリアな自然エネルギーに満ちたハワイをこよなく愛する翻訳者兼フラ講師の板羽柚佳です。
また、ハワイの神話や言い伝えや文化を反映させたカードや、ネイティブハワイアンたちの教えなどを織り込みながら、スピリチュアルな観点からのコーチングセッションの提供や Hawaii の自然をモチーフにしたハンドメイドアクセサリーなどの製作販売もしています。
そんな筆者が大好きなハワイは、豊かな自然と深いスピリチュアル文化が息づく癒しの島。その独自の自然療法は、植物、祈り、マッサージ、エネルギーワークなど、多岐にわたります。筆者自身も日々の生活をさわやかに、心豊かに暮らすためのツールとして取り入れています。
今回はハワイに古くから伝わる自然療法とスピリチュアルな思想の結びつきや現代の暮らしに取り入れられるヒントなどをお伝えします。
目次
ハワイの自然療法の基本

ネイティブハワイアンたちの主食であるタロ芋は、ハワイ神話では人間の始祖の兄弟とされています。そういった経緯も踏まえ「人は自然と一体であり、すべては繋がっている」という考えに基づいているハワイの自然療法。西洋医学のような病気の「対処」ではなく、心・体・魂の「バランス」を整えることを目的としています。
植物や海、風、火山、月など、自然界すべてが癒しの源です。これらは、生命エネルギー「マナ(Mana)」を高めることを目指す、ハワイの自然療法の中心にあります。また、ハワイの自然療法は精神性との関係が深く、宗教的な枠組みとは異なる形で、自然の中に存在するものすべては神であるという日本の八百万の神々の文化と非常に似た自然信仰と深く結びついています。
祖先や自然の精霊との繋がりを大切にし、「祈り」や「意図」を持つことで、治癒力が高まるとされています。これにより、身体的な症状のみならず、心や魂の深い部分にもアプローチできるのです。
ラアウ・ラパアウ(Lauʻaul apaʻau)とは?ハワイの薬草療法の魅力と使い方

「ラアウ・ラパアウ」とは、ハワイに伝わる伝統的な薬草療法のことです。「ラアウ」は植物や森林を、「ラパアウ」は治療を意味します。たとえるなら、現代でいうところの、アロマセラピーや漢方療法のような存在です。
古代ハワイアンたちは病気を、身体だけでなく「心・魂・環境」との不調和として捉え、植物の力を借りて癒してきました。カフナ・ラアウ・ラパアウ(薬草の専門家)は、植物の使い方だけでなく、祈りや儀式も大切にしていました。
ここで主な植物についてご紹介していきます。
ノニ
消化器系や免疫強化に効果があるとされる果実。ジュースや葉を皮膚などに直接外用に使用します。
ククイ
種から採れるオイルは肌の保湿・鎮静に、葉は痛みの緩和に使われます。
カヴァ
リラックス効果が高く、不安や不眠に用いられる根の抽出物。儀式にも用いられます。
ティーリーフ(和名:せんねんぼく)
浄化・保護の象徴として用いられ、身体を清める儀式や包帯代わりに利用されています。フラの衣装としてもよく見かける葉です。
これらの植物は、ナチュラル志向のライフスタイルの中で、ジュースやオイルなどに加工され人気です。また、ハワイのスパやホリスティックサロンでは、これらの薬草を取り入れたトリートメントなども行われています。
そのトリートメントの中でも一番有名なのがロミロミマッサージ。心・体・魂を整えるハワイ伝統の癒しで、ハワイの伝統的なヒーリングマッサージです。
「ロミ(lomi)」とは「揉む、擦る」の意味。肘や腕全体を使い、流れるような動きで、筋肉をほぐし、リンパや血流を促進します。このロミロミでは「意図」が非常に重視されており、施術者は心を整え、祈りを込めてマッサージを行います。それによってマナ(生命エネルギー)が流れやすくなり、心身の深い部分に働きかけるとされており、まさに「心と体は繋がっている」というハワイ独自の考えに支えられたアプローチです。その効果とメリットは、深いリラクゼーション、ストレス軽減、血行促進とデトックス、感情の解放や気持ちの安定やメンタル的な自己調整など様々な効果があります。
では次にハワイアンハーブとセルフケアについて触れてみたいと思います。
ハワイで親しまれるハーブには以下のようなものがあります。
ママキ
鉄分・カルシウム豊富で、デトックスや免疫強化に役立つお茶として人気。ミントのような味わいで、ハワイのヒーラーたちには「聖なるハーブ」と呼ばれているハワイ原産100%のハーブです。
コオコオラウ
肝機能を高めるとされ、マイルドな味わいのお茶として愛飲されています。
ククイオイル
肌荒れや乾燥対策に。赤ちゃんのスキンケアにも使われるやさしいオイルです。
ママキ茶やコオコオラウ茶など、ハーブティーで身体を温め、穏やかに心を整えることを毎日の習慣に。さらに、ティーリーフやハーブをお風呂に入れることで、心身の浄化やリセットなども期待できます。
ハワイのスピリチュアリズムとマナの考え方

マナとは、すべての生命・自然・人に宿る神聖なエネルギーのことです。ハワイアンは、このマナを高めることを人生の中心と考えていました。今でいう「自分らしく生きる」という感覚も、マナと深く繋がっています。マナが満ちることで、心が豊かになり、周りの人にもそのエネルギーを分かち合えると考えられているのです。
また、ハワイには、ヘイアウ(古代神殿)や火山、海、山など「マナが強い」とされる場所が点在します。こうした場所で祈りを捧げ、儀式を執り行うことで、マナとの繋がりを強化すると考えられています。マナを整えることで心と体のバランスが整い、目に見えない、人間本来が持つエネルギーやバイブレーションが調和するのです。
前出のような儀式を執り行う人物をカフナといいますが、このカフナとは、ハワイの伝統知識を継承するシャーマンやヒーラーのことです。彼らは、薬草、マッサージ、祈祷、天文、建築など、人が自然の中で安心して豊かに生きるための専門知識を持っています。自然の声を聞き、人の心身の状態を読み取る技術にひときわ長けており、儀式では、祈りやチャント(詠唱)を通じてマナを動かす力を持つとされています。今も一部の地域ではカフナの教えが引き継がれており、ロミロミや薬草療法の中で実践されています。また、現代的なスタイルのスパなどでも、ハワイの叡智が形を変えて広まりつつあります。
自然と調和するハワイの暮らしから学ぶヒーリング習慣

ハワイには「ローカヒ(調和・ワンネス)」という考え方があります。それは、「人・自然・精神の調和」という意味で、調和の取れた状態こそが健康であり、癒しの原点とされています。また、生きとし生けるものすべては一つであるという考え方でもあり、この考え方がハワイスピリッツの ALOHA のベースともなっています。
生きていることに感謝する時間をつくる。朝日を浴びて「ありがとう」と心の中で唱えるだけでも、マナとの繋がりを感じられる大切な時間となります。
また、深呼吸や、自分の身体を優しくなでるだけでも、自律神経が整い、エネルギーの流れが良くなります。筆者が毎朝実践している、今日から誰でも実行可能なヒーリングワークです。日の出が早くなるこれからの季節。ちょっとだけ早起きして、朝の静けさを感じながら深呼吸してみましょう。とっても気持ち良いですよ!活力ある一日になること、間違いありません。
まとめ

ハワイの自然療法とは、スピリチュアルな癒しによって心身をリセットし、自然のエネルギーと繋がることで、身体の不調だけでなく、心の疲れやスピリットのバランスまで整える総合的な癒しのアプローチです。今からできることとして、ママキ茶を飲む、植物に触れる、空を見上げて深呼吸する、そんな小さな習慣から始めてみるのはいかがでしょうか。それだけでも、自然との繋がりや、自身の内側にあるスピリットを感じることができます。古代から受け継がれてきたハワイの知恵を、日々の暮らしの中に少しずつ取り入れて、いつもの暮らしを豊かにしてみませんか?
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著者プロフィール
YUKA ITAHA
テレビラジオ業界でナレーターとして25年、フラ教室主宰15年とエンタメ業界一筋で生きてきたが、コロナ禍をきっかけに長年の夢だった翻訳業務を開始。
ハワイへは年に数回渡航。日々変化していく生きた英語に触れながら、
異文化間の思考の違いや取り組み方の違いを肌で感じ、
その違いを相互理解しながら埋めていくための一助となるべく、目下、邁進中。
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