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中国語の擬音語①〜これって何の音?



対象地域が限られていますが、日本でもタクシー配車アプリが増えてきました。その中にソフトバンクが出資している「DiDi」があります。ご存じの方も多いと思いますが、中国の配車アプリ「滴滴出行(ディディチューシン)」から生まれた会社です。そして、この会社名、実は2015年までは「嘀嘀(ディディ)」という漢字が当てられており、読み方は同じですが、車のクラクションを表す擬音語です。


「嘀嘀」に限らず、中国にも擬音語がたくさんあります。ただ、中国語学習中級者の方々の中にも、会話の中でなかなか擬音語を使えないという方も少なくないでしょう。そこで、今回からこのブログ記事では、シリーズで中国語の擬音語に焦点を当ててみたいと思います。


日本は「オノマトペ大国」


お米を研ぐ音はさて何でしょう?

日本語は外国人にとって学ぶのが難しい言語だと言われます。


例えば、アメリカ国務省は、世界中の言語を英語話者にとっての習得難易度に基づきカテゴリー1から5まで分類しました。それによると、習得がもっとも簡単なカテゴリー1には、イタリア語やスペイン語など9言語が含まれました。その理由は、英語と言語的な系統が似通っているからです。逆に英語話者にとって最も難しいとされたカテゴリー5+に唯一ランク付けされたのが日本語でした。


日本語が難しいとされるのにはいろんな理由があると思いますが、そのうちの1つがオノマトペ(擬音語、擬態語)でしょう。もともとはフランス語の「onomatopee」から来ており、英語では「onomatopoeia」です。日本語の言語的な特徴ともいえるオノマトペですが、その数は5,000語以上ともいわれており、他の言語と比べてもぶっちりぎりの多さを誇ります。英語ではオノマトペはわずか150~170語程度に過ぎません。


では、ここで問題です。オノマトペの数が日本に次いで多いのはどの言語でしょうか?意外かもしれませんが、答えは中国語です。その数は日本に比べると圧倒的に少なく、300語前後といわれていますが、中国語のオノマトペの特徴はすべて漢字で表されること。カタカナや平仮名で表される日本語のオノマトペとは違った趣きがあります。


擬音語と擬態語の違い



日本語のオノマトペは大きく擬音語と擬態語に分けられます。擬音語とは、人間や動物の声、自然界の音を表すのに対し、擬態語は音ではなく、何かの様子や状態を表すものです。

日本語でオノマトペというと「ワンワン」「ニャーニャー」などの擬音語を思い浮かべますが、実は擬音語の使用は全体の2割ほどに過ぎず、大部分を占めているのは擬態語です。


そして、この点が日本語におけるオノマトペを膨大にしているといえます。というのは、日本語の擬態語を中国語で表そうとすると、もはやオノマトペを使う必要がなくなってしまうのです。例を挙げましょう。


上に挙げた「ぴったり」「ぺらぺら」「ぐっすり」「しっかり」「はっと」は、実際に音や声が出ている訳ではありません。つまり、様子や状況を表すための擬態語ですが、それらを中国語に訳すとそれぞれ「正合适」、「很流利」、「 太沉了」、「 抓紧时间」、「 突然」に置き換えられ、日本語のオノマトペの面白さや膨らんだイメージが失われてしまいます。


別のパターンとして、日本語の擬態語を中国語に翻訳すると成語によって表されるものもあります。(成語に関してはこちらの記事もご参照ください。)


先に挙げた例に比べて、中国語の成語を使うと、日本語のオノマトペ同様、言葉が持つイメージをそのまま残すことができます。また、発音してみると分かるように、音の響きの心地よさも感じることができるでしょう。


別の点として、お気づきのように、日本語の「はっと」というオノマトペの中国語訳は1つではありません。それは、日本語のオノマトペにはさまざまな意味が含まれることがあるからです。例えば、「ごろごろ」には、「日曜日に家でごろごろする」と擬態語として用いることもできますし、「猫がごろごろ喉をならす」「雷がごろごろ鳴る」と擬音語としての使用も可能です。


まとめ


アメコミなどでよく見られる「BANG!」は文字通り、「パンッ」「ピシャッ」などの打音を表します。では、中国では何というでしょう?

日本語のオノマトペには大きく分けて擬音語と擬態語の2種類があり、約8割が擬態語であることが日本語の表現力を豊かにしています。中国語には擬態語としてのオノマトペが少なく、ほとんどが擬音語です。しかし、中国語には何といっても日本語にはない成語という特徴があり、これが中国語の表現力に深みを生んでいるといえるでしょう。


次回から実際に中国語の擬音語をジャンルごとに紹介していきたいと思います。お楽しみに!


参考資料:http://nihongo.hum.tmu.ac.jp/mic-j/KIRAKIRA-material/List/ChineseList.pdf


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著者プロフィール


YOSHINARI KAWAI


2008 年に中国に渡る。四川省成都にて中国語を学び、約 10 年に渡り、湖南省、江蘇省でディープな中国文化に触れる。その後、アフリカのガーナに1年半滞在し、英語と地元の言語トゥイ語をマスターすべく奮闘。コロナ禍で帰国を余儀なくされ、現在は福岡県在住。

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