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5分でチャージ!頑張り過ぎのあなたが緑と触れ合うべき3つの理由

更新日:2021年5月23日

コロナで仕事はテレワーク、終わったら「家飲み」、休みの日も「おうち時間」、こんな「ニューノーマル」が私たちの日常になってから、すでに 1 年以上が経ちました。日を追うごとに閉塞感や煮詰まった感じが日本中に広がっています。


観葉植物の鉢植え

2021 年 3 月、国立精神・神経医療研究センターが全国すべての都道府県に住む 28,000 人を対象にして行ったある調査結果を発表しました。

それによると、コロナ禍において人口密度が高い都市部、貧困の度合いが高い地域ほどメンタルヘルスが悪化しており、例えば自殺念慮は都市部で 1.83 倍、貧困地域では 1.35倍 高いことが明らかになりました。逆にコロナ感染者が多い地域に住んでいることと、メンタルヘルスとの関連はなかったそうです。


メンタルヘルスは環境で決まる


上記の結果の理由としては、人口密度の高い地域では居住スペースが狭く、住民が個人主義的なライフスタイルを好むために感染防止対策などで考えや行動の違いが生まれやすいこと、また貧困地域では経済的に健康的な食事を続けることが難しいこと、医療保健施設の乏しさなどが挙げられています。


この調査は重要な一つの事実を浮き彫りにしています。それは私たちのメンタルヘルスが環境に大きく依存している、ということです。では、都市部や貧困地域に住む人たちは自らのメンタルヘルスの悪化を甘んじて受けいれるしかない、ということなのでしょうか?


もちろんそうではありません。一口に都市部、貧困地域といっても一人ひとりはそのエリアのどこに住むかを選択することができますし、住む場所を変えられないとしてもどのように住むかはやはり自分次第です。


東京の高層ビル群

デンマークの科学者が 1985 年~ 2003 年に出生したデンマーク人 100 万人のデータについて調査したところ、幼少期に自然の風景や音、匂いとの関わりが少ないと精神疾患のリスクは最大 55% も上昇することが分かったそうです。

そして、このデータによると都市部でも緑地に囲まれた環境で成育した子どもは、緑の少ない田舎で育った子どもよりもメンタルヘルスの問題を発症する傾向は少なかったとのことですから、環境を整える点で自然をどう取り入れるかは大変重要だといえるでしょう。



ステイホーム期に自然と触れる方法


では、ニューノーマルな毎日にどのように自然を取り入れられるのでしょうか?


1. 休憩時に外に出る


いささかベタではありますが、一番簡単で効果がある方法です。

例えば、マンションの一室で一日中テレワークしているなら、午前中の仕事が一区切りしたあたりでおにぎりを持って近くの公園に出掛け、ベンチに腰かけて木々を眺めたり、小鳥のさえずりを聴きながら休憩してみてはいかがでしょうか。

オーストラリアのクイーンズ大学の研究によれば、週に 1 回 30 分ほど自然の中で過ごせば、うつ病や高血圧になる可能性が(それをしない人に比べて)37% 低下するとのことです。



2. 部屋に緑を取り入れる(観葉植物を飾る/緑の写真を見る/自然音を流す)


家の中でも「自然」に触れ合う機会を少しでも増やせます。もっとも「自然」といっても本格的なものを準備する必要はありません。ホームセンターや 100 円ショップで手に入るような観葉植物で充分です。


観葉植物を育てる自信がない方は、パソコンの壁紙を自然の風景に変えたり、BGM に水のせせらぎや風が木々の間を通り過ぎていく自然音を流してみたりするのも良いかもしれません。アムステルダム自由大学の研究によると、緑豊かな写真をみるだけで副交感神経が活性化しリラックス効果があるとのことです。


ソファに置かれたサボテン柄のクッションと緑のクッション
インテリアを緑に変えてみるのも良いオプション

不要な外出はしたくない、もしくは職場や自宅を離れられないほど忙しいという方は、この方法を試してみてはいかがでしょうか。




3. 緑の中で軽く運動する(グリーンエクササイズ)


さらにコロナ禍になってから定期的なエクササイズがメンタルヘルスに良い影響を与えることは繰り返し指摘されていますが、「グリーン×エクササイズ」=「グリーンエクササイズ」でさらに効果は倍増です。


英国エセックス大学の研究によると、都心にある緑地や公園で 5 分ほど運動するだけでも 20 分の運動と同じくらいのリラックス効果が得られるそうです。どのくらいのエクササイズが必要なのかが気になりますが、ウォーキングやサイクリングで十分であり、ガーデニングや動物に触れ合う(←エクササイズ??)だけでも効果があるとのこと。


また、リラックス効果という観点では時間を長くしても効果はあまり変わらず、エクササイズをはじめてからわずか 5 分で脳が感じていた疲れが軽減するそうです。


ジャングルをイメージした緑あふれるオフィススペース
こんなオフィスだと常にリフレッシュできるかも?

大切なのは「何を変えられるのか」


コロナ禍で折に触れて思い出すのはアメリカの神学者ラインホルト・二ーバーの次の言葉です。


「変えられるものを変える勇気を、変えられないものを受け入れる冷静さを、そして両者を識別する知恵を与えたまえ」
シンプルなデスクに置かれたガラスケース入りの観葉植物

私たちはコロナ禍を変えられませんし、自分の居住地も変えられないかもしれません。しかし、毎日の習慣にエクササイズを取り入れることはできますし、家の中に緑を置くこともできます。できることから、メンタルヘルスにいいことをぜひ始めてみたいものです。



参考サイト:


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著者プロフィール


YOSHINARI KAWAI

2008 年に中国に渡る。四川省成都にて中国語を学び、約 10 年に渡り、湖南省、江蘇省でディープな中国文化に触れる。その後、アフリカのガーナに1年半滞在し、英語と地元の言語トゥイ語をマスターすべく奮闘。コロナ禍で帰国を余儀なくされ、現在は福岡県在住。


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