4年間母親をやって分かった、自分を維持する方法~イライラと落胆と喜びの狭間で


今回は、子育て世代のパパママにも読んでいただけると嬉しい「自分との付き合い方」の話。


母親になって 4 年半。子供たちを迎えたときの喜びはもちろんひとしおでしたが、やはり惰性に負けたり、仕事が回らなくなりだすと「子育てってつらい」「ひとりになりたい」という気持ちになってしまうことがありました。よくいう育児ノイローゼというものだったのかもしれません。


そう、子供ができてから今まで現れたことがなかったような感情に次々とおそわれ、そこに仕事もあり、家事もありの休みなしの生活で自分のメンタルが完全に崩壊してしまったんです。上の子にとにかく怒鳴ってしまったり、モノに当たったり、家出願望に取りつかれたり。ドッペルゲンガーであってほしいと必死で願いたくなるほど「これまで見たことのない(恐ろしい)自分」が出現していました。昨今、子供にまつわる悲しい事件が続発していますが、残念ながらその親たちの心境を「到底信じられない」とは思えない自分がいます。


別人格が出現してから、最初に何をしたか。まず、とにかく誰かに相談したいと思ってセラピーに行きました。その後、別の種類のセラピーや病院も含めいろいろなところに足を運んでみた結果、気づいたのが「自分をとにかくいい状態に保つ」ことの大切さ。子供たちにこうして接すればいいよ、というアドバイスは多々ありますが、私にとっては子供との接し方を無理して変えるのではなく、まず自分を維持することの方が重要に思えました。




ほどほどに、は難しい


子育て論でよく見かけるアドバイスが、「完璧主義のママでも、いつも 100% でなくていい」というもの。 ほどほどに、頑張りすぎない子育て。でも私はそれができず常に 0 か 100 かの毎日。で、80 ぐらいまでのところで嫌気が差してギブアップしてしまい、その中途感にまた落胆する…というスパイラルの繰り返しでした。


幸い、パソコンひとつあればどこでも仕事が成り立つため、出産直後で子供が保育園に行っていない時も仕事は継続。産休なし、育休なし、土日休みなしでなんとかやってきたけれど、仕事に「ほどほど」はない。一旦仕事をはじめてしまうと「ほどほどまできたので納品します」とはいかないのが苦しいところ。


毎日スケジュールされた時間を崩さず完璧にこなしたいという気持ちが大きくなり、「ここまでやってるのに、なんで」とか、納期が迫ってるのに子供がぐずったりして「なぜ今だ」とか思ってしまうことが次第に多くなりました。 もちろん、こういう状態で永遠に回るわけもなくメンタルが崩壊。特に、保育園が終わってから食事終了までの 2 時間がまさに魔でした。怒らないようにしようと決めるより、まず自分がしっかりせねばという思いでここからセラピーを受け始めたわけですが、第 2 子が生まれてからは、俗にいう「上の子かわいくない症候群」になり、下の子を溺愛するあまり上の子に叱咤の嵐。再度、さすがにこれはまずいという少しばかりの理性が働き、ここからも色々な解決法を試していくことになりました。



これが効く、に正解はない

さて、この 4 年少しで実践したことはざっくり挙げて以下。


・ヒプノセラピー

催眠状態で行う心理療法。無意識の状態で自分の内面にアプローチすることで問題の原因を探っていくもの。これは 2 回受けたが残念ながらその境地にたどり着かずに終了。


・アンガーマネジメント講座

私の悩みは主に「したいことができない、自分のペースを乱されることへのイライラ」という怒りだったので、入門編を受講。カッとなったら深呼吸する、怒りのピークが過ぎるまで 6 秒待つ、など基本的なことを学んだのですが、そのときはあまりにも必死で「深呼吸なんかできるわけない」「待てたら苦労しない」と投げやりに考えてしまっていました。

・インナーチャイルドのカウンセリング 自分が子供の頃に受けた体験から、問題解決の糸口を探ろうとする療法。最初の導入カウンセリングを受けましたが、その後費用の問題もあって保留。


・区のこども相談

保健センターで専門の相談員の人が対応してくれる無料相談。こちらは心理相談というより、「忙しすぎるのでベビーシッターさんを頼んでみては」など実務的な解決策を提示してくれました。

・病院のこころ外来

心療内科専門のメンタルクリニック。医師と専門のカウンセラーの人による対応で、主に子供との接し方についてのアドバイスを親身になって考えてくれたり、興奮を鎮めるお薬を処方してくれたり。「なんで」は使わないようにしよう、外国語で話すと理性的になれるから子供と日本語以外で接する時間を増やせば、など具体的なアドバイスをいただきました。特に院長先生から「幸せになるんだよー」と言ってもらったときは思わず院のトイレで号泣。

・日本から逃避

落胆の淵にいる状態で、中国に 3 週間ほど渡航。子供たちも連れていったので仕事はセーブせざるを得ませんでしたが、これは予想以上の効果がありました。中国人はとにかく子供にやさしい。見知らぬ子供でもかわいい!抱きたい!と機内ではオバちゃんたちに大人気。最終的には荷物まで持って入国審査の列に一緒に並んでくれたりと大助かり。そういう対応をみていると、自分も自然と子供にやさしくなれるものです。プラス、開放的な空気が心身のリフレッシュになったのは間違いありません。


・ヨガインストラクター講座 自分の心を静める方法を知りたくて、ヨガ論に特化したパーソナルコースを受講中。現在は第 2 子出産を挟んで一旦お休み中ですが、落ち着いたらまた再開するつもり。


・ヨガの実練習 スマホから離れてひとりになる時間をつくりたくて、ホットヨガのクラスに通い始めました。ヨガでなくても好きなスポーツでいいのですが、私の場合ほかのスポーツだと競争心が出てしまうので自分に集中できるホットヨガが合っているなと思います。

あと、これは良く言われることですが日々やっていると深呼吸の癖がつきました。私、なぜか息が短くて、一呼吸で他の人の 2 分の 1 ぐらいしか吸えないのでこの練習はマストかもしれません。


・両親のヘルプ これもよく言われますが、子供 vs 自分だけでイライラするときは、第三者を交えてみるとその症状が出なかったりします。

私たちの両親は二家庭とも遠方なのですが、究極に忙しい時は親を呼び寄せるという緊急手段を取りました。しかも、海外在住の義母が 3 か月も日本に来てくれ、この時は大型案件で

てんてこ舞いだったので本当に助かりました。(家に常に人がいるので、ひとりになりたい、という願望は常時出てしまったのですが)


・ベビーシッターさんのヘルプ 実は、これだけができなかったこと。ベビーシッターさんとの関わりは、外出先で用事があるときに駅周辺でのシッティングをお願いした 1 時間のみ。保育園が終わってから、夜に自宅に来てもらえたらどんなに助かるだろう…と常々思いつつ、私は自宅に来てもらうことへの抵抗がいまだに消えず、結局お願いすることができていないまま。




結論:ルールに従って逃避する


さて、上記の通り、当たり前のことも含めて色々試してきましたが、これらの紆余曲折を経て今習慣づけていることが 2 つあります。


・1 日 30 分の逃避タイムをつくる

毎日だいたい決まった時間に、(超人的な働き方が必要な日でない限り)PC と スマホを置く時間をつくるようにしています。ぼーっと食事をするもよし、スポーツをするもよし、考え事をするもよし。

仕事はリモートワークが中心なので物理的にはひとりが多いのですが、常にオンラインで連絡が来ているので毎日 30 分~ 1 時間、子供が保育園に行っているひとりの時間帯にそれを断ち切って過ごすようにしています。土日の場合は、主人に子供を預けてちょっと出かけたりします。


・我が子へのメッセージを意識的に唱える

非常に怪しいですが、これはきちんと立証されたイライラ解消法。

アンガーマネジメントではこれを「コーピングマントラ」といいます。自分を落ち着かせる言葉を唱えることで怒りに対処するという考え方です。


私の場合、子供にいま一言だけ伝えるなら何か?というのをテーマにして、

毎日でなくともふと思い立った時に意識して(頭の中で)思い返すようにしています。


上のお姉ちゃんには、「いつも(怒ってしまって)ごめんね」 下の弟には「生まれてきてくれてありがとう」


そうすることでこれらの言葉と子供たちとの関連付けが深まり、

カッとなりそうな瞬間にふっと飛び出てくるようになります。そこで、怒りが抑えられたらしめたものだと思いませんか?


もちろん、これらを実践したからといってまったく怒らないようになるわけではありません。怒りの感情は諸刃の剣で、永遠に付き合わなければならないものですよね。

私はまだまだ恵まれた方で、もっと厳しい状況の方もたくさんいらっしゃると思いますが、同じように悩んでいるパパママの方々にとってこの記事が何かのきっかけになれば幸いです。「自分を大事にする」という考え方は、子育てだけじゃなく、仕事上、社会上のストレスに対処するにあたっても効果を発揮するはずです。皆さんが少しでも自分のよい状態を見つけ、周りの人にもそのよい影響が広がりますように。



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著者プロフィール

Satoko Shimooka

日中英翻訳者、2 児の母。大阪外国語大学ロシア語専攻卒。

フリーランスからはじめて現在小さな翻訳会社を運営。夫は中国人で、毎年子連れで中国へのプチ滞在が恒例。 孤独に仕事をこなすことが多いフリーランサーや起業家のメンタルケア が今後のテーマ。

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