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ゼロイチの創作の裏側:1曲作るためのロードマップを公開!方法やかかる時間も解説


オレンジ色に光る鍵盤付きミキサーサウンドボードを操作する女性の手

「作曲」と聞くと、特別な知識や技術がないとできないものと考える方も多いかもしれません。それでも、音楽を聴いたり楽器を演奏したりすることが好きな方は「自分もオリジナル楽曲を作ってみたい」と考えることもあるのではないでしょうか。


作曲は特別な知識や技術がない方でもできます。実際、有名ミュージシャンで「音楽理論は知らない」「譜面は読めない」と公言している方もいますよね。


ただ、作曲の経験がない方は「1曲を完成させるまでの方法やプロセスがわからない」と思うかもしれません。


そこで本記事では、1曲を作るためのロードマップを紹介します。


初心者におすすめの作曲のやり方や作曲にかかる時間についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。



作曲には音楽理論も特別な技術もいらない


草むらの中で歌う女性と群れをなして飛ぶ鳥を描いた油絵

前述したとおり、作曲は専門的な知識や技術がなくてもできます


ただ、誤解を招きたくないので先に申し上げておくと、専門的な知識や技術が作曲に役立つのは間違いありません。


たとえば、音楽理論は「さまざまな音楽の成り立ち」を言語化したものです。


そのため、音楽理論を知っていれば「聴いていてワクワクする展開」や「切ないメロディ」などを意図的に作り出すことができます。また、ギターやピアノなどの技術が高ければ、それだけ作曲の引き出しも増えるでしょう。


ただし、絶対的に必要かといわれればそうではありません。


鼻歌で作った曲でも立派な作曲なのです。作曲のゴールは「よい音楽を生み出すこと」なので、自分の感覚で気持ちのよいメロディやリズムが生まれれば、それに越したことはないでしょう。


私の周りにも、生活している中でふと思いついたメロディを忘れないようにスマホで録音しているミュージシャンは多くいます(私も時々やりますが……)。


天気のよい日に散歩しながらふと思いついたメロディは、果たして音楽理論を駆使して生まれたものでしょうか。


「今日は日が差していて気持ちがいいな、ランチは駅前のパスタ屋さんにしようかな」


ふふんふーん……。


そうです。ここで生まれたメロディは、その人の感覚から自然に生まれたものですよね。


そして感覚で生まれる曲には、その人が今まで聴いてきた音楽が如実に表れます。まったく同じ音楽をまったく同じ数だけ聴いて育った人はこの世に2人といないので、人の数だけオリジナル曲があります。


すべての人間には、オリジナル曲を生み出す能力が備わっているのです。



1曲に出てくる音数は基本的にたったの7つ


黒い背景と煙の中で浮かび上がるオレンジ色に光る五線譜のようなラインとト音記号と音符

さらに、作曲初心者に朗報です。


曲というと1曲の中に多くの音数が鳴っていそうなイメージがありますが、基本的に曲は7つ以下の音で構成されています(7つの音の並びをダイアトニックスケールといいますが、今は覚えなくても大丈夫です)。


7つの音、もしくは7つ以下の音だけしか使わないと考えると、なんだか誰でも作曲ができそうな気がしてきませんか?


たとえば、有名な童謡の『メリーさんの羊』は「ド、レ、ミ、ソ」の4つの音のみで演奏可能です。


もちろん、音楽に限らず芸術には例外がつきものなので、世の中には8つ以上の音を使っている曲も多くあります。


ただし、7つ以下の音のみでも、世界中の人が口ずさむ名曲を生み出すことは可能なのです。



1曲作るためのロードマップを紹介


緑豊かな森の中の遊歩道に差し込む木漏れ日と飛び交う無数の音符

それでは早速、1曲作るためのロードマップを紹介します。


もちろん、人によって作曲方法やプロセスは異なるため、ここでは初心者におすすめのロードマップの一例を紹介します。


  1. 曲のテーマをイメージする

  2. メロディもしくは歌詞で一番伝えたい部分を作る

  3. 定番のコード進行を利用しながら曲を膨らませる


それぞれの手順について、詳しく見ていきましょう。


曲のテーマをイメージする


まずは、曲のテーマをなんとなくイメージしましょう


一口に曲といっても膨大な数のジャンルや雰囲気があるので、まずは自分の作りたい曲の大まかなイメージを考えます。


テーマは曲を作る過程で徐々に変わっていくこともありますが、はじめは「体を動かしたくなるポップな曲」「恋愛ものの切ないバラード」など、ざっくりとしたイメージで構いません。


最初の1曲の場合は、自分が一番好きなジャンルで作るのもよいですね。


メロディもしくは歌詞で一番伝えたい部分を作る


テーマが決まったら、自分が一番伝えたい「曲の核」の部分を最初に作りましょう。メロディだったら「サビ」の部分になるかもしれませんし、歌詞であれば曲で一番伝えたい「想い」になるかもしれませんね。


初心者の場合は A メロから B メロ……と順番に作るよりも、一番伝えたい部分から膨らませていく方が作りやすいと思います。


歌詞なら1番伝えたい台詞をひとまず言語化したもの、メロディであれば鼻歌でも十分です。まずは一節でもいいので、オリジナルの音楽を作り出してみましょう。曲で一番大切な部分ができれば、あとはそれを膨らませるだけです。


少し余談ですが、曲作りのタイプには「詞先」と「曲先」の2種類があります。

詞先は歌詞を先に作ること、曲先はメロディを先に作ることです。


もちろん正解はないのでどちらでもよいのですが、8:2もしくは7:3くらいの割合で、曲先で作る方が多いでしょう(世に出ている有名なヒット曲でも、耳に残るメロディや発音が特徴的な曲が多いと思いませんか?あれはほとんどの場合、メロディを先に作ってあとから歌詞を乗せて作っています)。


ただ、初心者の場合は曲で一番伝えたい部分を作る際に歌詞が思いついたか、メロディが思いついたのかで進めていくとよいと思います。


定番のコード進行を利用しながら曲を膨らませる


曲の一番伝えたい部分が完成したら、定番のコード進行を利用しながらどんどん曲を膨らませていきましょう。


「コード進行」と聞くと、難しそうと思う方もいるかもしれませんね。

コード進行を使わなくてもメロディは作れるのですが、活用すると作曲の道しるべができて簡単によい曲が作りやすくなるので、基本的にはコード進行を使いながら作曲します。


「コード」とは「和音」のことで、ギターやピアノでいう「ジャーン」というイメージのものですね。あれは複数の音を組み合わせてコードを鳴らしています。


そして、コードの鳴らし方の進行を示すのがコード進行です。ただ、難しく考えることはありません。コード進行の型はもうすでにいくつか決まっているので、慣れるまでは有名曲や好きな曲のコード進行を使いましょう(コード進行に著作権はないので安心してください)。


楽器ができる方は、鍵盤やギターなどの和音が出せる楽器でコード進行を鳴らしながらメロディを作ると、よいメロディが浮かびやすくなります。楽器が苦手な方は、コードを鳴らせるフリーのアプリやサイトもあるので活用してみてくださいね。


また、初心者の方であれば、まずはスリーコードで作ってみるのもおすすめです。スリーコードとは、各キーにおけるトニック(I)、サブドミナント(IV)、ドミナント(V)のコードを用いた3つのコードの総称です。


スリーコードは、簡単なのに組み合わせると気持ちがよい魔法のようなコードです。たとえば有名曲の『カントリーロード』も、3コードのみで演奏できます。


具体的なコードの一例をご紹介すると、C メジャーキーであれば C、F、G のコードを使用します。最初の1曲はスリーコードのみで作ってみるのもよいでしょう。作曲に慣れてきたらマイナーコードも取り入れてみると、音楽に深みや哀愁を加えることができますよ。



1回の作曲にかかる時間は5分でもOK


茶色く変質した古い楽譜

作曲にかかる時間は、人によっても作品によっても異なります。

1日でできることもあれば、数週間かかることもあるかもしれません。


ただし、作曲には必ずしも長時間をかける必要はありません

たとえば、5分程度の短い時間を使ってメロディのアイディアを思い浮かべたり、コード進行を試したりするのもよいでしょう。


とくに初心者の場合は、1回の作業で完成を目指す必要はありません。

日々の生活で思いついた歌詞やメロディ、コード進行を組み合わせて、1曲を完成させてみましょう。



作曲は脳の活性化や心の健康のサポートにもよい


森の中で座る少女と草花から飛び立つ無数の音符

「自分は曲を作っても発表する場所もないし、とくにメリットがないように感じる……」

そんなふうに考える方もいるかもしれません。


実は、作曲は脳によい影響を与えるといわれています。音楽を作るプロセスは脳の多くの領域を活性化させ、さまざまな認知機能の向上を促します。


新しいメロディや歌詞を考えたり組み合わせたりする作業は、脳の前頭前野を刺激します。創造的な能力が養われるうえに、記憶力や集中力を高める訓練にもなるでしょう。


また、音楽を聴くと副交感神経を優位にしてリラックスした状態になるため、心の健康のサポートにもなります


作曲は自分が好きな音楽を作り出す作業なので、好みのメロディや世界観をイメージする時間が増えます。好きな音楽を聴いたり歌ったりすると快楽物質であるドーパミンが分泌されるため、ストレスホルモンも抑えられるでしょう。


もしかしたら、作曲はあなたにとって最高のストレス発散になるかもしれませんよ。



まとめ


作曲には、必ずしも特別な知識や技術は必要ではありません。


気持ちのよいメロディを口ずさんで体を揺らしながら手を叩けば、もうすでにそこにはオリジナルの曲が生まれています。とくにはじめて曲を作る方は、短くてもよいので1曲作ってみると作曲の楽しさが実感できるでしょう。


作曲は好きなメロディや歌詞を組み合わせる楽しい作業なので、脳の活性化や心の健康のサポートにもなります。


音楽好きな方は本記事を参考にして、ぜひ一度作曲にチャレンジしてみてください。


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著者プロフィール


TAKUTO SHIOYA


高校卒業後、音楽の専門学校で作曲・編曲を学ぶ。複数のバンド活動を経て2016年からソロで弾き語り活動を開始。ハイエースで10日間車中泊をしながら中国・四国地方ツアーをおこなったりと、現在も精力的にライブ活動中。大手メディアの Web ライター兼編集者としての顔も持ち、新潟、静岡、神奈川、埼玉、沖縄など移住拠点を定期的に移しながら、日々感じたことを記事にしている。


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