「音楽活動を収益化できるのか」
これはアマチュアアーティストのほぼ全員がぶつかる壁の1つです。
「音楽活動はいつも赤字」
「音楽活動で稼ぐなんて自分には無理」
「いい歳になってきたし、稼げない音楽活動はこれ以上続けられない」
そんなふうに考える方もいるのではないでしょうか。
現在はアーティスト活動の発信方法も多様化しマネタイズ手段の幅も広がっているため、アマチュアアーティストでも収益化できる可能性が十分にあります。
「音楽活動で収益化できない」と悩んでいるアーティストも、もしかしたら自身にあったマネタイズの方法を知らないだけかもしれません。
そこで本記事では「アーティストがマネタイズする方法」について解説します。
実際にアマチュアアーティストである私や周りのアーティストが稼いでいる方法、収益構造についてもあわせて解説するので、アーティスト活動で収益化したい方はぜひ参考にしてみてください。
マネタイズは夢を叶えるために必要
果たして、アーティストにとってマネタイズは本当に重要なのでしょうか。
アーティスト活動に大切なものは「お金じゃない」と考える方もいるでしょう。
ただ、ほとんどのアマチュアアーティストが抱える「お金を稼ぎたい」という想いは、なにも「私腹を肥やしたい」という気持ちからくるものではありません。
大好きな音楽活動を続けるためにはお金が必要なんですよね。
アマチュアアーティストのほとんどはギャラやライブチケットの収入があまり見込めないので、身銭を切ってライブ活動をしています。
また、ライブ以外にも機材費、スタジオ代、ライブ会場までの交通費、レコーディング代など、音楽活動には月に数万、多いときは数十万円の出費がかさみます。
音楽活動を続けていくためにお金が必要になるということは、言い換えれば、アーティストにとってマネタイズは夢を叶えるための手段の1つだといえるでしょう。
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アーティストがマネタイズする方法は大別して2通り
「アーティストがマネタイズする方法」は大別して次の2通りです。
音楽活動でマネタイズする
音楽活動以外でマネタイズする
「え?アーティストが音楽活動以外でマネタイズする?そんな話は聞きたくないよ」と思う方もいるかもしれません。
ただ、先に申し上げると本記事の肝は「音楽活動以外のマネタイズ」にあります。もちろん、音楽活動以外とはいってもアーティスト活動に関わる方法です。
私の周りのアーティストでも、この方法でマネタイズしている方が多くいます。一度でいいのでだまされたと思って読んでみてくださいね。
(今更ですが、ここでいう「アーティスト」とは音楽活動を主にする「ミュージシャン」を前提にお話しています。もし本記事を読んでいる方が音楽以外の活動をしている場合は、音楽の部分を「絵」「マンガ」「デザイン」など自身の主な芸術活動に置き換えて読んでみてください)
それでは、それぞれのマネタイズ方法について詳しく解説します。
音楽活動でのマネタイズ方法
音楽活動での具体的な収益は次の3つです。
ライブ活動に関わる収益(チケットやグッズ売上などによる収益)
音源作品に関わる収益(CD 売上、iTunes や Spotify などの音楽サブスクの視聴による収益)
著作権に関わる収益(映像作品に音源を使用した際に発生する収益)
基本的に「音楽活動で収益化したい」と考える方は、上記のマネタイズ方法を思い浮かべるのではないでしょうか。
アーティスト活動をしていて最もうれしいのは「ライブや音楽作品でリスナーに喜んでもらえた瞬間」だと感じる方も多いかもしれません。
私自身も個人的に、アーティストはプロフェッショナルな作品を作ることが本分だと思うので、目指すべきは上記のマネタイズ方法だと考えます。
ただし、私も約15年音楽活動をしていて目の当たりにしているのですが、上記の3つだけでマネタイズしようとして収益化できずに苦しんでいるアマチュアアーティストが本当にすごく多いんです(私もそのうちの一人ですが……)。
アマチュアアーティストがライブや音源のみでマネタイズするのは、本当に難しいんですよね。
先ほども少し触れましたが、ライブや音源でクオリティの高いものをリスナーに届ける(音楽活動でマネタイズする)ためにはお金が必要です。
したがって「音楽活動でマネタイズできるようになるまで活動を続けるため」にも、ライブチケットや音源が売れるまでの間はとくに、音楽活動以外でのマネタイズが大切になるわけです。
音楽活動以外でのマネタイズ方法
では、音楽活動以外でのマネタイズ方法とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
それは「アーティスト自身の魅力を売る方法」と「アーティスト活動に関わるスキルを売る方法」の2種類です。
それぞれの具体的なマネタイズ方法は次のとおりです。
「アーティスト自身の魅力を売る方法」
ライブチャット配信で投げ銭をもらう
オンラインコミュニティ(ファンクラブ)でダイレクト課金をもらう
SNS や YouTube、TikTok などで自身の活動を発信して収益化する
「アーティスト活動に関わるスキルを売る方法」
アーティスト活動に関わるスキルを活かしたサービスでマネタイズする(音楽教室や作詞作曲代行など)
まずは「アーティスト自身の魅力でマネタイズする」方法です。
ファンは「このアーティストにがんばってもらいたい」「このアーティストを応援したい」と感じると、SNS のフォローや投げ銭などのアクションを起こします(この応援活動に収益が発生するわけですね)。
ライブチャット配信はコロナをきっかけに普及率が上がったため、多くのリスナーに自分のことを見つけてもらうチャンスがあります。実際に私の周りでもライブ配信で多くのファンを獲得し、投げ銭や配信音源の購入などでマネタイズしているアーティストが何人もいます。
また、自身のオンラインコミュニティ(オンラインサロンやファンクラブのようなもの)を作成し、ファンからダイレクト課金をもらう方法もあるでしょう。日々の活動の様子を発信することで、ファンの方と夢を叶えるまでのストーリーを共有できます。
ミュージックビデオ撮影やワンマンライブなどの製作過程や裏側を記録して販売する「プロセスエコノミー」という手法も近年注目されています。気になる方は調べてみてくださいね。
SNS や YouTube で収益化する方法もあるでしょう。現在は X(旧 Twitter)でも収益化プログラムがあり、フォロワーやインプレッション(投稿が表示された回数)が一定の基準を超えれば、収益が発生します。最近は SNS や YouTube でのバズをきっかけに世にはばたくアーティストも増えてきていますよね。
そして、もう1つの方法は「アーティストに関わるスキルを活かしてマネタイズする」です。
アーティストの場合は歌唱、楽器演奏、作詞作曲、ライブ演出や表現方法、音響や照明スキル、メイクや美容に関わる技術など、専門的なスキルを兼ね備えている方も多いでしょう。
現在は個人のスキルを気軽に売買できる「クラウドソーシングサービス」も増えています。私の知り合いのミュージシャンもライブアーティストとして活躍しながら、自宅やオンラインでギター教室を開いてマネタイズしています。
音楽教室の生徒さんは、小学生からご年配の方までさまざまだそうです。「自分なんてまだ、アマチュアだから」と謙遜する方もいるかもしれませんが、現場で培った貴重なスキルや経験のノウハウを知りたいという音楽好きは意外と多いですよ。
ライブや音楽作品以外でのマネタイズ方法が大切な理由
先述したとおり、アーティストはライブや音楽作品で収益化ができるに越したことはありません。ただし、アマチュアの場合は、なかなか音楽活動のみでマネタイズができないことも多いでしょう。
なぜ、アマチュアアーティストは音楽活動での収益化が難しいのか。
もちろん「ライブや音楽作品のクオリティの問題」はどこまでも付きまとうのですが、それとは別に「サービス無料化の時代」が進んでいることも原因の1つにあると思います。
現在、YouTube や音楽サブスク(iTunes、Spotify、Apple Music、LINE MUSIC など)で有名ミュージシャンの曲やミュージックビデオがいくらでも楽しめます。何百万、何千万、何億円かけて作成された作品が基本無料で楽しめる時代ですよね。
また音楽に関わらず、Netflix や Amazon Prime Video などでは映画やエンタメ作品が無料、もしくは安価で見放題です。
有名ミュージシャンの楽曲や話題のエンタメ作品が無料で楽しめる時代で、アマチュアアーティストの作品をお金を払って探してくれる人がどれだけいるのかを考えると、やはり難しいものがあるように思います。
マネタイズに関してももちろんですが、ライブや音楽作品を聴いてくれる方を増やすためにも、音楽活動以外のアクションが求められる時代になってきているようにひしひしと感じます。
もちろんですが、アーティストはこの時代を悲観することはありません。スマホ1つで手軽に活動を発信できる時代です。たとえば SNS や YouTube などで活動を発信している方でも、音楽活動以外でマネタイズしながらファンを獲得できるチャンスは毎日訪れています。
ぜひ本記事を参考に、自身の活動においてマネタイズできるポイントを探してみてください。
まとめ
アーティスト活動を続けていくためには「お金」の問題が常に付きまといます。
マネタイズは夢を叶えるための手段の1つです。
現在はマネタイズの方法も多様化しているため、アマチュアアーティストでも収益化できる可能性が十分にあります。
音楽活動を続けるために、そして夢を叶えるためにも、アーティストは自身の活動で収益化する方法を考えてみましょう。
もしも「こんなに良いマネタイズ方法があったよ」という人がいたら、私にもこっそり教えてくださいね。
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著者プロフィール
TAKUTO SHIOYA
高校卒業後、音楽の専門学校で作曲・編曲を学ぶ。複数のバンド活動を経て2016年からソロで弾き語り活動を開始。ハイエースで10日間車中泊をしながら中国・四国地方ツアーをおこなったりと、現在も精力的にライブ活動中。大手メディアの Web ライター兼編集者としての顔も持ち、新潟、静岡、神奈川、埼玉、沖縄など移住拠点を定期的に移しながら、日々感じたことを記事にしている。
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