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実は深い翻訳業界⑲~日本にいながら語学力をアップさせるコツ


「どうしたら語学ができるようになるんですか…?」

翻訳業界に身を置いている方なら、一度は尋ねられたことがある質問かもしれません。


答えは人それぞれだと思いますが、「海外で生活して、日常生活で外国語を使う環境に身を置くこと」が近道なのは共通しているのではないでしょうか?実際、翻訳業界で活躍している方の多くは海外での生活経験、留学経験をお持ちです。また、今も海外で生活している方もいらっしゃるでしょう。


ただ、私自身も含め、かつて海外で生活していたものの、今は日本で生活しているなら、語学力を維持するのは簡単なことではありません。まして、アップさせていくことは至難の業だと感じてしまいます。。もし、誰かが語学力アップの秘訣を持っているなら、それを知りたいです…。


そこで、今回は弊社在籍の英日のバイリンガルにインタビューを決行!日本にいながらも語学力をアップさせる方法が見つかるかもしれません。


弊社マネージャー A さんの場合


弊社には翻訳プロジェクトの管理を担当するマネージャーが複数名います。クライアントやネイティブ翻訳者のやり取り(ミーティング、メールなど)を英語で行う場合が多いため、日常的に外国語を使う環境にあります。


ーそもそも英語を使う仕事に就くことになったきっかけを教えていただけますか?


A:学生時代を海外で過ごしました。その後、培った英語を活かして外資系企業に就職、翻訳や英語を使った事務などに携わりました。自分が海外生活を経験していたためか、周りにも外国人や海外在住経験がある人が多く、その中の一人から、今の翻訳会社の仕事を紹介してもらいました。


ー現在、仕事もしくはプライベートで英語をどの程度使用していますか?


A:仕事では、ほぼ毎日使っています。プライベートでも週3日以上は英語でテキストメッセージや電話でのやりとりをしています。


ー普段、英語に触れるために意識していることはありますか?


A:最新のニュースは海外のメディアを英語でチェックするようにしています。例えば、『NY タイムズ』や雑誌『ニューヨーカー』の内容全体にざっと目を通すようにしたり、好きなポッドキャストでファッション関係やセレブの話題などを英語で聴いたりしています。そうすることで、海外の人と話すときにも話題についていくことができます。


ー英語のスピーキング力をキープするためにやっていることはありますか?


A:英語のスピーキングはリズム感が大事なので、時々歌を歌うなどして、発音に慣れる工夫をしています。海外の友人と FaceTime を使って話すときは、自分の側から話題を提供するようにし、ネイティブが使うフレーズで自分があまり使わないものがあれば、覚えるようにします。話す内容が自分が好きなトピックだと話しやすいので、ニュースやポッドキャストなどでインプットしたものを、常にアウトプットすることを心がけています。


弊社翻訳者 B さんの場合


弊社で翻訳を担当してくれている翻訳者さんにも突撃インタビュー。翻訳は読解力がメインだと思われがちですが、実際はどうなのでしょうか?


ーそもそも英語を使う仕事に就くことになったきっかけを教えていただけますか?


B:小学生の頃から海外で活躍する日本人アーティストのファンで、その人の作品や海外のインタビュー記事を見て育ちました。大学時代までずっと外国語に興味を持ちながら学生生活を送り、大学在学中に北米に留学、現地で翻訳のクラスを受講しました。


ー現在、仕事もしくはプライベートで英語をどの程度使用していますか?


B:仕事では毎日メール、チャット、ビデオ会議などで英語を使います。翻訳者であるため、最も必要とされるのは英語の読解力と日本語力です。しかし、最近は複数の翻訳者や海外のエージェントと仕事を進めていくことも多く、プロジェクトスタート時にはオンラインでのミーティングもあるため、スピーキング力も求められます。また、案件のアサイン時にチャットで会話したり、条件交渉したりするときには、英語のメールを明確に書くスキルも必要です。


プライベートでも、英語で SNS を更新しているため、コメントやメッセージはほぼ英語でやりとりしています。


ー普段、英語に触れるために意識していることはありますか?


B:もともと字幕翻訳からキャリアをスタートしたため、海外ドラマや映画が好きで、毎日見ています。字幕を見ながら英語を聞き取る癖をつけることで、特定のシチュエーションで使うフレーズのパターンが分かってきます。また、知らない単語でも日本語字幕を見て素早くマッチングさせるスキルが身に付き、英語を使った会話をするときにも役立っています。また、家事をするときには BBC ニュースを聞くようにしています。


ー英語のスピーキング力をキープするためにやっていることはありますか?


B:海外ドラマを見ることで英語のスピーキングスキルも伸びました。毎日、生の英語を繰り返し聞くことで英語を話すリズムを自然と習得できたんだと思います。

海外留学から戻ってきてすでに10年が経ちますが、英語を日常的に使う仕事に就いたことで、また毎日ドラマを見る習慣のおかげで、今はビジネスレベル以上の英語を話せる(使える)ようになりました。また、国によって異なる、英語の「訛り」を聞き分けられるようになりました。


大学時代に効果的だと思った勉強法は、とにかく英語を「Read aloud(音読)」することです。ネット記事でも SNS の気に入ったセンテンスでもよいので、とにかく自分で声を出して読んでみると、自然とリズムがつかめるようになります。


まとめ:心躍るワクワクする素材を選ぼう


弊社在籍のお二人のインタビューから見えてきたもの、それは日本にいても心躍る素材を選べば語学力はアップする、ということです。


A さんは、好きなポッドキャストでファッション関係やセレブの話題を、B さんは海外ドラマや映画を選ぶことで自然と英語に触れる機会が生まれ、結果的に語学力がアップしたのです。もし、「仕事で使うから」とか「語学力が落ちたら自分のキャリアが危うい」といった動機であれば、毎日続きませんし、仮に続いてもいやいやながら学ぶ語学は楽しくないでしょう。


翻訳者の川合亮平さんは、翻訳業を離れ5年間サラリーマン生活をしている頃、電車の中で通勤の友としてポッドキャストで英語を聞いていたそうです。その中でも「次回が待ち遠しい」と思うくらい気に入っていたのが、イギリス人同士の本気の雑談のトーク番組。聞き始めた当初は 20% くらいしか理解できなかったそうですが、「好き」で「面白かった」ため、2~3年聞き続け、結果的に番組の理解度が 60~70% まで上がったとのこと。


のちに彼は翻訳業を再開したとき、何と自分が大好きだったそのトーク番組の司会者にインタビューする機会に巡り合えたらしいですが、相手に「あなたのイギリス英語は素晴らしいが、ずっとイギリスに住んでいたの?」と言わしめるほどの英語力にまでアップしていました。川合さんは自分の経験を踏まえて、「原因がすてきなら、すてきな結果がもたらされる」と述べています。


今は日本にいてもポッドキャストや YouTube、他にもさまざまなメディアを通して、10年前には考えられなかったようなクオリティの素材を簡単、無料で手に入れることができるようになりました。逆に多すぎて「あれも、これも」選びたくなるのが逆に悩みの種ですが、是非その中から自分が大好きな、心躍る素材を見つけてみてはいかがでしょう。


そうすれば、例え日本にいても、来年の今頃には海外生活していた頃と同じほどの、あるいはそれ以上のレベルに語学力がアップしているかもしれません。


おまけ:ちなみに、食い意地が張った中日翻訳者である私の心躍るワクワク素材はこちらです。


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著者プロフィール


YOSHINARI KAWAI


2008 年に中国に渡る。四川省成都にて中国語を学び、約 10 年に渡り、湖南省、江蘇省でディープな中国文化に触れる。その後、アフリカのガーナに1年半滞在し、英語と地元の言語トゥイ語をマスターすべく奮闘。コロナ禍で帰国を余儀なくされ、現在は福岡県在住。









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