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日本語の曲を英語でカバーする際のポイントや方法について解説


水に濡れた木板の上にある荒く削られた鉛筆

日本語の曲を英語でカバーする際には「歌詞をどのように翻訳するか」が重要な鍵になります。


歌詞の翻訳は通常の文章の翻訳とは大きく異なります。曲の魅力を最大限に生かすためにも、歌詞の翻訳で大切になるポイントを押さえておきたいですね。


そこで本記事では日本語の曲を英語でカバーする際のポイント、日本語の曲を英語に翻訳する際の手順やコツについて詳しく解説します。


日本語の曲を英語でカバーしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。



「文章を訳す」と「歌詞を訳す」の違いとは


水面で跳ねる複数の8分連符と水しぶき

同じ翻訳とはいっても「文章を訳す」と「歌詞を訳す」とでは、作業の方法やコツが異なります。


双方の作業の違いを把握すると、楽曲の歌詞を訳す際にも役立つでしょう。

歌詞を訳す際に考慮すべきポイントは次のとおりです。


  • 文字数

  • 韻(rhyme)

  • 歌いやすさ


それぞれのポイントについて詳しく解説します。


文字数


基本的に、文章を翻訳する際には文字数に制約はありません。情報を正確に伝えることが優先されるため、必要に応じて詳細な説明や追加情報を追記する場合もあるでしょう。


一方、歌詞の翻訳はメロディや小節に合わせる必要があるため、文字数が制約されます。そのため原文が持つ世界観や意味を押さえながら、制限された文字数の中で言葉を選ぶ必要があります。


韻(rhyme)


文章の翻訳では、韻を踏むことは一般的には求められません(もちろん、文章の読みやすさを重視して文章のリズムを整えることはありますが)。


しかし、歌詞の翻訳では韻(rhyme)が重要になります。音楽は聴いていて気持ちのよい発音や響きが大切になり、とくに英詞の歌は日本語の歌よりも「気持ちのよい言葉の響き」が重要視されます。韻を踏むことで楽曲に心地よさが加わり、より一層耳に残る音楽になるでしょう。


歌いやすさ


文章の翻訳は基本的に「読みやすさ」や「伝わりやすさ」が重要ですが、歌詞は「歌いやすさ」が大切です。歌詞は実際に歌われることが前提になるため、発声しやすく、リズムや音程に合わせやすい言葉選びが求められます。


歌詞を翻訳する際は、アクセントや強弱を考慮して言葉を選びましょう。実際に翻訳した歌詞を自身で歌ってみて、歌いづらい部分がないかを確認する作業が大切になります。



世界観を踏襲しつつ音楽的に魅力がある訳を目指す


大きなカラスが描かれた譜面の油絵

翻訳の種類には、原文をそのまま訳す「直訳」や原文の言葉を自然な表現に翻訳する「自由訳」などがあります。


歌詞の翻訳の場合は「世界観を踏襲しつつ音楽的に魅力がある訳」を目指しましょう。歌詞の翻訳では音楽的な魅力を出すために、あえて原曲の歌詞を少し変更して表現する場合もあります。


たとえば日本語の楽曲を英語でカバーしてヒットした代表曲の一つに、サザンオールスターズの『いとしのエリー』を世界的有名歌手のレイ・チャールズがカバーした例があります。


Ellie My Love/Ray Charles


サビの翻訳を抜粋してみました。


Smile for me, won't you, baby

(微笑んでくれないか、ベイビー)

Forever you'll be on my mind

(永遠に君は私の心の中にいる)

Drink with me won't you baby

(一緒に飲んでくれないか、ベイビー)

We're gonna make it right this time

(今度こそはうまくやれるはずだから)

引用元:Ellie My Love/Ray Charles


実は原曲の歌詞には「一緒に飲んでくれないか」や「今度こそはうまくやれるはずだから」というフレーズはありません。楽曲の世界観とマッチしながらも韻を踏む、歌いやすいフレーズで見事に表現されています。


音楽的に魅力がある訳とは「リズムや韻を保ちつつ、原曲の世界観や歌詞の内容が自然に感じられるよう工夫されたフレーズ」だといえますね。



歌詞を翻訳する手順とコツ


開いた分厚い楽譜と塵のように舞う複数の音符

それでは実際に、日本語の歌詞を英訳する際の手順について解説します。

手順は次のとおりです。


  1. 楽曲のテーマや伝えたいことを書き出す

  2. 和英辞書や翻訳ツールを使用して翻訳する

  3. 類語辞書を使用して言葉をピックアップする

  4. 文字数や韻を調整し歌いやすい歌詞に整える


それぞれの手順のコツについてもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。


手順1. 楽曲のテーマや伝えたいことを書き出す


まずは、翻訳の前に楽曲のテーマや伝えたいことを書き出してみましょう

翻訳に使用する言葉は、楽曲の世界観を考慮して選ぶ必要があります。


キーワードとなる歌詞やフレーズから連想できる言葉をできるだけ多く書き出してみると、世界観を掴みやすくなります。


また、楽曲が持つ世界観をより深く理解するために、歌詞のみでなく曲全体のムードやミュージックビデオ、アーティストの他作品やインタビューなども参考にするとよいでしょう。


手順2. 和英辞書や翻訳ツールを使用して翻訳する


楽曲の世界観やテーマが掴めたら、和英辞書や翻訳ツールを使用して実際に歌詞を翻訳していきましょう


翻訳ツールは Google 翻訳DeepL 翻訳などが代表的ですが、複数のパターンの英訳を比較するために、2種類以上の使用をおすすめします。


手順3. 類語辞書を使って言葉をピックアップする


次に類語辞書を使って、英訳した文章の単語やフレーズに似た言葉をピックアップしていきます。音楽的に魅力があって歌いやすい歌詞に調整するために、できるだけ多くの単語の選択肢を用意したいですね。


ただし、同じような言葉でもそれぞれ微妙に意味やニュアンスが異なるので、類語辞書でピックアップした言葉については言語ごとの詳細な意味を調べるようにしましょう。


手順4. 文字数や韻を調整し歌いやすい歌詞に整える


最後に文字数や韻を調整し、歌いやすい歌詞に整えましょう

韻を踏める言葉を調べたい場合は「RhymeZone」のようなツールを使用すると作業がはかどります。


先述したとおり、歌詞の翻訳は原曲の世界観を解釈したうえで、原文の意味とは異なる表現にしても問題ありません。


歌い手が気持ちよく歌えて、聴き手が世界観を感じられるような訳を目指します。

翻訳した歌詞は実際に歌ってみて、発音や息継ぎのタイミングなど、歌唱に不都合な箇所がないかを確認しましょう。



歌詞の翻訳は自由度が高く、クリエイティビティが求められる


カラフルな背景に沿ってうねる五線譜とカラフルな音符や音楽記号の水彩画

歌詞の翻訳は言葉の置き換え以上のものであり、クリエイティブ能力が求められます

原曲の魅力を保ちながら異なる言語で楽曲の魅力を引き出すためには、翻訳者の創造性が必要です。


作業には歌詞が持つ感情的な部分を尊重しながら、音楽的な魅力を引き出す言葉選びが大切になります。


また、楽曲を英語圏に住むリスナーに聴いてもらいたい場合は文化的な背景も考慮し、原曲のニュアンスを英語圏のリスナーにも理解できるようなフレーズに調整する作業も必要になるでしょう。


歌詞の解釈は1つではありません。楽曲を聴いた人の想像が広がるように、翻訳者は直訳にとらわれず、必要に応じて新しい表現やアイデアを取り入れることが求められます。



まとめ


歌詞の翻訳にルールはありませんが、その分自由度が高く、翻訳によって楽曲が持つ魅力は変化するでしょう。


歌詞の翻訳は、楽曲が持つ世界観の中で歌詞を「創造」する必要があります。

翻訳家が表現した楽曲の世界観を味わうのも、日本語楽曲を英語でカバーする際の魅力ですね。


参考サイト:


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著者プロフィール


TAKUTO SHIOYA


高校卒業後、音楽の専門学校で作曲・編曲を学ぶ。複数のバンド活動を経て2016年からソロで弾き語り活動を開始。ハイエースで10日間車中泊をしながら中国・四国地方ツアーをおこなったりと、現在も精力的にライブ活動中。大手メディアの Web ライター兼編集者としての顔も持ち、新潟、静岡、神奈川、埼玉、沖縄など移住拠点を定期的に移しながら、日々感じたことを記事にしている。


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