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執筆者の写真SIJIHIVE Team

アニソンって誰が歌うの?プロジェクトに選定される人材のポイントとは


舞い散る花びらの中でマイクに向かい歌う着物姿の少女の絵

「夢は人気アニメの主題歌を歌うこと」というアーティストも多いのではないでしょうか。


アニソンを歌うことは、多くのアーティストにとって貴重なチャンスです。人気アニメの主題歌に抜擢されれば、アーティストの知名度も飛躍的に上がるでしょう。


アニソンを歌いたいアーティストは、アニソンが決定する仕組みを理解することが非常に重要です。そこで本記事では、アニメの主題歌はどうやって決まるのか、その仕組みとポイントについて解説します。


プロジェクトごとの適切な人材の選び方にも通じるトピックなので、アーティストやクリエイターの方はぜひ参考にしてみてください。



アニソンを歌うアーティストは製作委員会が決める


薄暗い部屋の中で複数のモニターを眺める三人の男性の後ろ姿

アニソンを歌いたいアーティストは、アニメの主題歌が決まる仕組みについての理解が大切です。


仕組みを理解することで、アニソンを歌うために求められる条件や身に付けておくべきスキルが把握できます。必要な条件が分かれば、努力すべき方向も見えてきますよね。


アニソンを歌いたいアーティストは業界の特徴を理解し、適切に対応することで、自身の夢を叶える可能性を高められるでしょう。


それでは、アニソンを歌うアーティストの選定は、一体誰がおこなうのでしょうか。


基本的に世の中で放送されているアニメの主題歌は、アニメの製作委員会によって選定されています


製作委員会は、アニメ制作の企画立案から資金調達、作品制作や著作権管理などをおこなう組織です。制作委員会にはアニメ制作会社、広告代理店、出版社、レコード会社などが含まれます。


アニメ制作には数千万円から数億円程度の莫大な資金がかかるため、多くの企業からの出資が必要です。そのため、アニメ制作にはあらかじめ複数の企業を集めて出資を募る、製作委員会方式が広く採用されています。



アニメの主題歌を歌うアーティストの4つの決め方


凛とした眼差しのヒーローアニメ風の五人の女性

製作委員会がアニソンを歌うアーティストを決める方法は主に4つあります。それぞれの方法について詳しく解説します。


製作委員会に出資しているレコード会社の推薦で決める


まずは、製作委員会に含まれているレコード会社のアーティストが選定されるケースです。アニメの製作委員会にレコード会社が含まれている場合、レコード会社は自社の売り出したいアーティストをアニソン歌手として推薦します。


製作委員会に含まれるレコード会社がマーケティングやプロモーションをバックアップするため、作品の広告効果とともに音楽面での成功も見込める点がメリットです。


実際にアニソンを歌うアーティストはフリーのアーティストよりも、レコード会社と契約しているアーティストが多い傾向があります。


作品の雰囲気にあうアーティストを抜擢する


アニメ作品の内容や雰囲気、テーマに最もマッチするアーティストが選ばれる場合もあります。アニメは主題歌も含めて作品になるため、制作チームは作品の世界観を表現できる声質や歌唱スタイルを持つアーティストを選定します。


たとえば、青春アニメではポップで明るい楽曲が特徴のアーティスト、ダークなファンタジー作品では、深みのある声や神秘的な雰囲気を持つアーティストが選ばれるケースがあるでしょう。


アニメの声優が主題歌を担当する


アニメのキャラクターの声優が主題歌を担当するケースもあります。アニメの世界観をそのまま主題歌でも表現できるため、アニメ全体の統一感が強化されます。


また、アニメの主題歌を声優自身が歌うことで、声優のファン層をより引き込みやすくなる利点もあるでしょう。


原作者の意向で決める


アニメの原作がある場合、原作者の意向を尊重してアニソンのアーティストを選定する場合もあります。原作者がアニメの魅力を引き出すために世界観に合致しているアーティストを強く推薦した場合は、その意向に沿って決定する場合があるでしょう。



製作委員会がアーティストを選定する際の7つのポイント


スタンドマイクと光るミキシングコンソール

製作委員会がアーティストを選定する際、主に7つのポイントがあります。


アーティストが依頼側の立場になって選定するポイントを考えてみることで、アニソンに抜擢されるための活動方法を見直すきっかけになるかもしれません。


1. 声質と歌唱力


アーティストの声質がアニメキャラクターの性格やストーリーのトーンに合っているかどうかは重要なポイントです。


たとえば、アクションアニメでは力強くダイナミックな声、穏やかで日常的なアニメなら柔らかく落ち着くような声が適しているでしょう。また、アニメの世界観を視聴者に伝えるために必要な歌唱力も大切です。


2. 音楽ジャンルとスタイル


視聴者がアニメに没入するためには、アニメのテーマと主題歌の音楽ジャンルが合致することが大切です。


たとえば、青春アニメにはポップやロック、歴史や民族をテーマにしたアニメならクラシックや民族音楽が抜擢されるケースがあります。


3. 人気と認知度


アーティストの人気と認知度は、アニメの商業的成功を左右する重要な要素です。

人気アーティストは広いファン層を持っているため、主題歌に抜擢することでアニメ作品をより多くの視聴者に届けられます。


また、認知度の高いアーティストを起用することで、アニメ作品自体のブランド価値を高める効果も期待できるでしょう。


4. 過去の実績


過去にアニメとのタイアップで成功した経験があるアーティストであれば、制作サイドもそのアーティストが新しいプロジェクトにもたらす価値を判断しやすくなるでしょう。


アニメを商業的に成功させるためには、単なる音楽的な適合だけでなく、商業的な見地からの判断要素も大切になります。


5. 創造性やオリジナリティ


とくに主題歌が書き下ろしの場合は、アニメやキャラクターの世界観にあった歌詞やサウンドを組み込みながら、視聴者を惹きつける楽曲を制作する必要があります。


アニメの世界観やキャラクターの特徴を掴んだオリジナリティのある楽曲を作成できるアーティストは、制作サイドから見ても魅力的です。


6. 予算やスケジュール


アニメ制作における予算やスケジュールなどの条件が、アーティストに合うかどうかも大切です。アニメ制作は資金が限られているため、アーティストに支払うギャラも選定の重要なポイントになります。


また、楽曲の納品可能な時期、プロモーション活動のスケジュール感が合うかどうかもチェックすべき項目です。


7. マーケティングとプロモーションへの貢献度


アーティストが持つプロモーションへの貢献度は、アニメプロジェクトの成功にも影響します。


たとえば、SNS でのフォロワー数が多いアーティストの告知活動は、アニメのマーケティングにも重要な役割を果たすでしょう。



クリエイターは制作サイドの意向を汲み取ってアピールする必要がある


テーブルの上のメモ帳にボールペンで文字を書く人の手

アニソンを歌いたいアーティストは制作サイドの意向を正確に理解し、それに沿った形でアピールすることが重要です。どれだけ魅力的なアーティストでも制作サイドのニーズに合っていない場合は、アニソンに抜擢してはもらえないでしょう。


上記のことはクリエイターにとっても同様であるといえます。

日ごろから自身のスキルを磨くのはもちろん、制作サイドのニーズにあわせて自身の所属する組織や身に付けるべき技術、実績作りやアウトプットの方法を見直してみることが大切です。


プロジェクトごとに必要とされる適切な人材にマッチするため、「スキル」「予算」「納品スケジュール」「認知度」「実績」「プロジェクトへの貢献度」など、定期的に自身を客観的な視点で評価するクセをつけるとよいでしょう。



まとめ


アニメの主題歌を歌うアーティストは、さまざまな要素に基づいて決められています。


アーティストに限らず、クリエイターは制作サイドのニーズを考えて、自身の活動を振り返ってみるとよいでしょう。


相手の立場になって考えると、見える景色もガラッと変わりますよね。なかなか活動が上手くいかない方は視点を変えることで、夢を掴むための道が見えてくるかもしれません。


参考サイト:

日本のアニメにおける製作委員会方式とはどのようなしくみか | 海外との違いも紹介 | PARADIGM SHIFT


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著者プロフィール


TAKUTO SHIOYA


高校卒業後、音楽の専門学校で作曲・編曲を学ぶ。複数のバンド活動を経て2016年からソロで弾き語り活動を開始。ハイエースで10日間車中泊をしながら中国・四国地方ツアーをおこなったりと、現在も精力的にライブ活動中。大手メディアの Web ライター兼編集者としての顔も持ち、新潟、静岡、神奈川、埼玉、沖縄など移住拠点を定期的に移しながら、日々感じたことを記事にしている。


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