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Google 翻訳 vs 百度翻訳 翻訳ツールはここまで進化した?


翻訳を仕事にしていなくても、海外の気になるサイトやニュース記事を読むときに翻訳サイトを使ったことがある方は多いかもしれません。ここでまず頭に浮かぶのが、利用者が 5 億人を超えている(2017 年)Google 翻訳です。オンライン翻訳サイトの筆頭に挙げられ、近年は AI によって翻訳精度が向上していると言われていますが、実際使ってみるとヘンテコな文章に訳出されることもしばしば。


それに対して中国の翻訳に強いと言われるのが「百度(バイドゥ)翻訳」。日本ではあまりなじみがないこの百度翻訳ですが、中国語では Google が使えないこともあり簡易翻訳のスタンダードになりつつあるようです。以下、その違いを Google 翻訳と比較してみることにしましょう。


▲百度翻訳のトップページ



「百度翻訳」とは?

日本では「百度」は知っていても、翻訳ツールとして使ったことのある方はそれほど多くないかもしれません。百度が WEB 上で翻訳ツールを公式に展開し始めたのは意外に早く、2011 年のこと。対応言語は Google 翻訳の 103 に比べて三分の一以下の 28 言語ですが、機械翻訳以外にも翻訳家による専門的なサービス(有料)も展開しているのは、中国企業の豊富なマンパワーがなせる業と言えるかもしれません。



機能面での比較

端末のカメラで撮影した画像から文字を読み取って翻訳する機能はいずれのサービスにもありますが、海外のレストランのメニューに特化した「菜单翻译(メニュー翻訳)」や、そもそも目の前にあるものを撮影してなんと言えばよいのか教えてくれる「实物翻译(実物翻訳)」は百度翻訳(スマホアプリ)の特徴的な機能だと言えます。他にも日本語、韓国語、英語に対応した「实用口语(使える会話例)」のツールは、旅行で生じる様々なシーンで、言語が話せなくても端末が代わりにオフラインで発話してくれるというもの。


こうした百度翻訳の機能から垣間見えてくるのは、Google が世界中のあらゆる言語の発話者に向けて設計されているのとは異なり、こちらのツールはどちらかと言えば、世界各地に旅行やビジネスで出かけていく外国語の話せない中国人同胞に特化して設計されているということです。中国のエリート層は非常に流暢な英語を話しますが、農村出身の出稼ぎ労働者や年配者など外国語を話せない中国人も臆することなく海外に出かけていきますから、百度翻訳はそうした方々も考慮にいれてデザインされている感じがします。





コンテンツ面では百度に一票?

上記のギャラリー 1 枚目は、百度翻訳のスマホアプリをダウンロードして開いた直後の画面。「我是谁(職業を選択)」→「上班族(社会人を選択した後に、翻訳アプリを何に使いたいかを選択)」→「我喜欢(趣味を選択)」と続きます。デザインが凝っていてここから期待が高まりますね。


2 枚目は百度翻訳と Google 翻訳それぞれのトップページ。Google がシンプルイズベストなのに対して、百度は旅行の用語集や記事など、コンテンツにかなり力を入れているのが分かります。


3 枚目はトップにも出ていた旅行の用語集。意外に、というと失礼ですが…まともな日本語なのでこれだけで通じそう。


4 枚目は上記でもご紹介したメニュー翻訳や実物翻訳など、付随する機能の一覧です。左下にある「旅游模式(旅行モード)」をオンにして、旅先の国を選択しておくと各機能でその国の言語が優先的に表示されるようになります。今回は日本でダウンロードしたので、位置情報のおかげか自動で「日本」がオンになっていました。



翻訳精度はどうなのか?

おそらく日本人ユーザーが、翻訳サイトにおいて頻繁に利用するのは「英語⇔日本語」間の翻訳でしょう。この翻訳に関しては百度翻訳は Google 翻訳より精度が落ちるとしばしば指摘されていますし、実際そうかと思います。しかし、上記で述べたように百度翻訳が想定している主なユーザー層が中国人であることを考慮に入れると、それは仕方がないことなのかもしれません。


百度翻訳において注目すべきなのは中国語翻訳です。とりわけ Google 翻訳を使っていると中国語の特徴とも言える成語、つまりことわざの翻訳がヘンテコになりがちです。例えば、「ネズミのような小動物が見るように、狭い視野で物事をみること」という意味の「鼠目寸光」という成語がありますが、これを Google 翻訳に入力してみると「ラットの目」と翻訳されます。まさにその通りなのですが、背後にある意味は全く訳出されていません。百度翻訳はどうでしょうか?入力してみると、「見識が狭い」という成語がもつ本来の意味をズバッと見事に訳出してくれます。


以上、Google 翻訳と百度翻訳を 3 つの視点で比較してみました。使用するシーンや言語に応じて、それぞれのツールを使い分けると、持ち味を十分に活かせるのではないかと思います。



※本記事はあくまで個人の見解であり、弊社として各アプリやツールの利用を推奨するものではありません。

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