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食は中国にあり。多彩すぎる中国語の食表現①~麺を食らう!

更新日:2022年10月16日


「民以食为天(Mín yǐ shí wéi tiān)」という言葉があります。中国語を勉強したことがない人でも、漢字だけで何となく意味は分かるのではないでしょうか?


「民は食を以て天とする」、つまり中国の人民は古来から食を非常に重視してきた、ということです。それは何も「満漢全席*」のような選りすぐりの料理ということではなく、ごく普通の一般家庭であっても、中国の人々は食を疎かにすることは決してありません。そうした食に対する並々ならぬこだわりが中国の豊かな食文化を育んできたといっても過言ではありません。


今回から始まる「食は中国にあり。多彩すぎる中国語の食表現」では、毎回、中国の食文化とともに、中国の餐厅(Cāntīng:レストラン)でメニューを見るのに助かる中国語や、服务员(Fúwùyuán:ウェイター、ウェイトレス)に注文するときに役立つひとこと中国語を紹介していきます。


第1回目となる今回は中国の「面条(Miàntiáo)」、つまり麺を特集します。「たかが麺、されど麺」、安くて美味しい、中国の麺の魅力をご堪能ください。


*満漢全席:漢民族と満州族の料理を一堂にそろえ、山海の珍味を2~3日にわけて味わう宴席料理。ツバメの巣や熊の手などが食材として用いられることで知られる。


中国の麺は何から作られる?


日本では小麦粉を原料とする麺がメインです。確かに中国の北方では小麦が多くとれるため、日本と同じタイプの麺をよく食べます。しかし、場所によっては気候が全く異なるため、麺の原料も自ずから変化します。


例えば、中国南方の人たちは小麦粉の麺に加えて、米粉(Mǐfěn)や绿豆粉(Lǜdòu fěn)などの麺も大好き。米粉は日本語では「ビーフン」(ちなみにこれは中国語ではなく、台湾や福建省で使用されている闽南语(Mǐnnán yǔ))と訳されますが、いわゆるビーフンのように非常に細い麺だけでなく、しっかりした噛み応えのある、太めのものもあります。


「ビーフンじゃない、米から作られた麺って一体どんな感じなの?」と、気になる方はこちらをチェックしてみてください。


作り方で呼び方も変わる!


中国語は非常に合理的な言語なので、漢字を見ればその料理がどうやって作られたかが分かります。


其の一:拉面


例えば、日本人が大好きなラーメン、中国語では「拉面(Lāmiàn)」と書きます。「拉()」は「引っ張る」という意味の動詞であり、つまりラーメンは原料である小麦粉を引っ張りながら作る麺のことなのです。


「小麦粉を引っ張りながら作るラーメンって一体??」と気になる方はこちらの動画をチェック!


見ていただくと分かるように、塊をどんどん延ばして細麺に仕上げていく様子はまさに職人芸です。しかし、これは中国の至るところにある「兰州拉面(Lánzhōu lāmiàn)」のお店で普通に見ることのできる光景です(兰州とは、中国の甘粛省にある地名)。別にパフォーマンスとしてやっているわけではなく、単純に麺を作っているだけなのです…


ちなみに最近では日本でも「蘭州ラーメン」のお店がちらほら見られるようになり、びっくりするようなお値段がしますが、私が中国にいた時は一杯100円くらいでした。


其の二:刀削面


さて、日本の中華料理のお店でも「刀削麵」を提供するお店がありますが、これもよく見ると分かるように、名前そのものが麺を作る過程を示しています。


中国語では、「刀削面(Dāoxiāomiàn)」と言いますが、「刀で削って」作る麺のことです。もともとは中国の山西省が発祥であり、そこでは日常的に作られ、食べられているごく普通の麺。地元の人が作る刀削麺の様子はこちらをチェックしてください(2分あたりから刀削麺が作られ始めます!美味しそうです!)。


其の三:担担面



ほかにもよく知られている麺として忘れてはいけないのが「担担面(Dàndàn miàn)」。日本では「担々麺(タンタンメン)」と呼ばれていますが、中国語ではどちらかというと「ダンダンメン」です。


四川省発祥の麺であり、豚そぼろと青菜、ピーナッツなどを載せたものですが、その特徴は何と言っても四川の人が大好きな「花椒」や唐辛子!辛くて痺れる味付けです。成都や重慶のものが有名ですが、「担担(Dàndàn)」もこの麺の作り方を表しているのでしょうか?


実は「担」とは、漢字からも分かる通り、「担ぐ」を表す言葉です。また、「担子」とは「荷物」のことでもあり、「担担」とは「荷物を担ぐ」という意味。


つまり、これは「担担面」の作り方ではなく、もともと天秤棒の両側に鍋や調味料、麺などを載せて担いで売られていた様子を示しています。もちろん、今では四川省でそんな売り方をしている人はあまりいないと思いますが…


日本の担々麺と中国の「担担面」はびっくりするほど違っており、四川の人が日常的に食べているものは「汁なし」です。私が四川省で中国語を勉強していた10年以上前、一杯のお値段はやはり約100円。毎日憑りつかれたように「担担面」を食べていました…


biangbiang面(ビャンビャン麺)を知っていますか?


日本人もよく知っている兵馬俑で有名な西安の特産品に「biangbiang面(ビャンビャン麺)」があります。この麺を漢字で書かなかったのには理由があります。というよりも、書けないのです。

はじめて「ビャンビャン麺」のお店に足を踏み入れたとき、これ(↑)が一体何なのか、さっぱり分かりませんでした。お店の方に聞いたところ、幅広の手延麺でメニューの一つだと知り、さっそく注文してみました。雰囲気としては「ほうとう」にも似ていますが、唐辛子やコリアンダー、ネギやピーナッツ油を使った味付けで、極めてスパイシーです。



ちなみに、2020年にセブンイレブンから何とビャンビャン麺が発売されていましたね。世界各地から美味しいものを発掘してくる日本企業のリサーチ力、企画開発力、すごいです。


辛さを調節してほしい時のひとこと中国語


今日紹介した麺の中には唐辛子や花椒が入ったメニューがありました。中には麺は気になるけど、あまり辛くしてほしくないという方もいるでしょう。その場合、「不辣(Bù là)=辛くしないでください」とお願いしてみましょう。ピリ辛くらいがお好みという方には「微辣(Wēi là)」、「どんな辛さでも大丈夫!」という方は「超辣(Chāo là)!」という言い方もあります。


このシリーズでは、今後も中国語の食の奥深さを紹介していきます。お楽しみに!


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著者プロフィール


YOSHINARI KAWAI


2008 年に中国に渡る。四川省成都にて中国語を学び、約 10 年に渡り、湖南省、江蘇省でディープな中国文化に触れる。その後、アフリカのガーナに1年半滞在し、英語と地元の言語トゥイ語をマスターすべく奮闘。コロナ禍で帰国を余儀なくされ、現在は福岡県在住。




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