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  • 執筆者の写真S Satoko

【インドで8か月のオーダーメイド】会社のビジョンをジュエリーで表現してみた


皆さんは「パワージュエリー」という言葉をご存じでしょうか?


まだニッチなものではありますが、その名の通り身に着けることでポジティブなパワーを注入してくれるジュエリーのこと(先にお断りしておきますが、スピリチュアル感ゼロの純粋なジュエリーのお話です)。


今回は私自身、Nudge さんにこのパワージュエリーをフルオーダーメイドで作っていただきました。

自分の仕事人生と会社のビジョンを振り返り、それをジュエリーに落とし込んでもらうという貴重な体験をしましたのでそれを皆さんにもシェアしたく記事にまとめています。


私がオーダーしたのは、3 種類のストーンを使った太陽彫りリング。

素敵すぎる Nudge さんのブランドコンセプトもぜひ感じていただければ幸いです。




きっかけ


今回リングのオーダーメイドをお願いしたのは「Nudge(ナッジ)」さん。

天然石を使った繊細なジュエリーをインドの工場で完全オーダーメイドで制作してもらえます。


世界一周を経験してインドで就職していた女性オーナーが帰国後、これまでずっと持っていた自身の考えや経験を見事に形にした、一言では表しきれない思いの詰まった濃いブランド。


オーナーの三神優子さんと私は大阪の高校の友人なのですが、卒業後は完全にご無沙汰でした(!)。かろうじて SNS でつながっており、彼女がインドにいること、その後出産で帰国して Nudge を立ち上げたことは知っていました。



理由:初オーダー会にビビッときた


オーナーと 15 年ぶりの再会を果たしたのは 2020 年 7 月。Nudge の初オーダー会&カウンセリングの案内を見て直感が働き、すぐに連絡してみました。


ビビッと来た理由は 3 つ。

  1. インドでつくってもらえる(私は以前の仕事でインドに滞在していた)

  2. 会場が水天宮(上京してはじめて住んだ場所だった)

  3. 会社をブランド化したかった(テック系のスタートアップなどで、メンバーがロゴ入りのパーカーを着て PC に向かってる姿ありますよね?ああいう組織的な仕事のモチベーションをどう作れるか模索していたところ)


参加したい旨を伝えて、1 時間のカウンセリングを予約。

コロナ禍で何でもリモートにシフトしていた中での対面カウンセリングは新鮮だったし、普段はオンラインのみでオーダーするらしい天然石のサンプルも実際に見ることができました。


1 時間しかなかったためサクッと近況報告し、指輪の悩みを伝え、サイズ測定をしてもらい完了。細かいデザインは改めて対面かメッセージ(LINE)でやり取りすることに。





【2か月目】デザイン


カウンセリング後、オーナーと LINE でのやり取りを開始。まずはデザインのイメージを固めるために、希望に近いリングの画像を送り合うというステップからスタートしました。



なぜ太陽彫りなのか


さて、まず上記のステップで私が送った「好みのリングの画像」がこちら。

太陽彫り加工が施されたリングです。



localeclecticのInstagramより


まず弊社のテーマから説明すると、社名の SIJIHIVE は「SIJI(中国語で“四季”)」と「HIVE(蜂の巣。活気ある場所という意味もある)」を合わせた造語で、一年中活気あふれる組織にしたいという意味を込めてつけたものです。ロゴは蜂の巣をかたどったハニカムマークで、コーポレートカラーはブラック×イエロー。



このハニカムを彫るという案も考えたのですが、それだとストーンより彫りメインになってしまうしあからさまなので、そこで閃いたのがハチたちのコミュニケーションとして知られる「8 の字ダンス」。


ハチたちは太陽の位置に対する餌場の角度を、お尻を振るわせてダンスすることで仲間に示すといいます。つまり、太陽はミツたっぷりの花の位置を示してくれる重要な道しるべ。私自身も、ビジネスをはじめた目標を見失わずにいようという願いを込めて、今回は太陽モチーフでリングを作ってもらうことにしました。



ワーママの指輪の悩み


今回は毎日変わらず身に着けられるもの、ということでリングを選択。まずは着け心地について考えてみました。


職業柄まったく制約はないものの、子どもがまだ小さいという点でかなり好みが絞られます。小さなお子さんがいらっしゃる方はお分かりの通り、アクセサリーを身に着ける上でのハードルはかなり上がります。


私はこういうところだけ神経質で、少しでも違和感があるとどんなに気に入ったアクセでも付けられないため、「サイズがぴったり合っていること」重視でお願いしておきました。


  • 子どもを頻繁に抱っこするため、大きなストーンがセッティングされた爪付きリングや装飾が多いものは危険。細いピアスやネックレスも同じく避けたい(ピアスは刺さると危険、ネックレスは子どもがとにかく引っ張る)

  • 大きさがフィットせず回ってしまうリングは辛い(落としたら誤飲の可能性あり)

  • オムツ替えや家事でとにかく手を洗うので、水に弱い素材は NG




ストーン選び


Nudge さんのジュエリーの特徴は一点もののストーンをあしらった繊細なデザイン。


ストーンは自分や家族の誕生石にしたり、好きな色を選んだりという方が多いそうですが、私の場合誕生石のオパールが水に弱い(※上記の避けたいポイント参照)だったため、今回は SIJIHIVE のコーポレートカラー(※上記のロゴ参照)である黒と黄は入れたいということで希望を出しました。


候補のストーンはブラックルチル、ラブラドライト、グレームーンストーン(黒系)、シトリン(黄色)。

LINE でこのような石の画像を送ってもらえます。




この後、ラブラドライトは水に弱い、ムーンストーンも強くはないとのことで脱落。自分の生活と条件が合うかどうかって、意外に重要みたいです。


結果として、一番水に強いルチルさん(一番左)と黄色のシトリン(右)が勝利しました。



第3位に輝くストーンは?


さて、上記のステップで 2 つの石が決まり、バランス的には合計 3 つの方が良いかもということであと 1 種類ストーンを選ぶことに。


候補は…

・アメジスト(会社の誕生石)

・トルマリン(私の誕生石。オパールは水に弱いが 10 月はトルマリンも当てはまるとのこと)


紫色のアメジストだと黒・黄・紫で攻めすぎ(!)なので、トルマリンでバランスのよさそうな色を選んでもらうことにしました。


なんと、トルマリンにはあらゆる色があるらしく、好きな色を選べるとのことで

候補としては中間色のグリーンをチョイス。ハチの黒×黄の攻め色に、心を静めるグリーン。果たして合うのでしょうか?



お値段比較


そもそも太陽彫りができるのかが不明で、ストーンの個数や種類によってもお値段が変わるとのことだったので、


  1. ストーン 3 つ(黒・黄・クリア)

  2. ストーン 3 つ(黒・黄・クリア)+太陽加工

  3. ストーン 3 つ(黒・黄・グリーン)

  4. ストーン 3 つ(黒・黄・グリーン)+太陽加工


の 4 パターンでお見積もりをお願いしました。


このときにリングの腕部分の幅(3 mm)、素材(K10)を決めます。


結果、1~4 のパターンでそこまで価格に違いがなかったため、一番希望に近い 4 でオーダーしました。


※見積もりは概算で、実際制作してから削ったりして出る westage(粉になって廃棄になる部分)がどれくらい出るかで多少前後するそうです。


この時点で 9 月中旬。オーダー会後の 8 月頭から連絡を取り始め、1 か月半ほどでオーダー確定です。オーダーから 2 週間程度で「石の準備ができた」とのことで連絡をいただきました!


制作期間が 2 ~ 3 か月なので、年末にはお披露目できるかな?というところでした。(この後ハプニング発生!)




【5か月目】インドで衝撃のハプニング!



12 月になり、インドの工房でハプニング発生。「太陽彫りができない」とのことで連絡が。


Nudge さんの工房で初の彫り作業(!)になり、細かい彫りは難しいとのことでした。

上記画像がそのときの結果。一旦、写真と同じでなくても良いのでできる範囲でと回答して再度挑戦してもらいましたが、やはり難しかったようです…!


こちらが再チャレンジ結果。

特に文句つける気はないのですが、少し線が太い?いや、でもこれこそが完全オーダーメイドの醍醐味ですよね。



オーナー曰く、石がリングのアームに対して大きいため、石を小さくすると彫り加工はしやすいとのこと(ただ、石がよくわからない感じになる可能性大で、しかも私が選んだブラックルチルはこれ以上小さいサイズがないので石の変更が必須)。


もしくは、彫り部分だけ日本の工房に移して加工するという提案もいただきました。


私としては日本で繊細に加工してもらえるのはありがたいが、それを選択してしまうとインドの工房で手作業で作ってもらっている魅力が失われてしまうような気がして一旦他のやり方を模索することにしました。オーナー自身も日本での加工は最終手段で、インドで何回やっても再現不可能な場合にしか頼みたくないと言っていたため、双方が気持ち良い解決策を探すことに。



解決策


ミッション:インドでできる太陽彫り加工を探す


まず、なぜこの加工が難しいのかというところから考察。私が送ったサンプル写真の通りに、石の周りに三角をたくさん彫ろうとするからおそらく難しいのでは。



それならこの写真みたいに、石の周りに細く線を彫る方が楽かもしれない!(と勝手に推察)

一旦これでインドに確認。


※左から、twointhesunsarahgardenerjewellerysennin_esko_jewelryのInstagramより


Nudge からのさすがの提案


その後、さすがプロと言わしめる回答が LINE で来てびっくり。


まず、リングの基本的な小粒の石の留め方は以下の 5 種類で、今回私がオーダーしたのは 5 の太陽。(なるほど、後光か!)


  1. 4 点留め

  2. 覆輪留め

  3. マス留め

  4. 星留め

  5. 後光留め




今回のハプニングの原因:


オーダーが幅 3 mm のリングに対して 2 mm の石を留めるはずが、リングの幅と石のサイズがほぼ同じ? また、三角彫りがはじめてのため慣れない


※リングの幅を測る道具


解決策:


手仕事だとブレが出るので、CAD で設計図を描き、ワックスを使って型をつくることにしました。いわゆる鋳造(キャスト)です。

太陽の放射線部分をできる限り石の輪郭に近づけて彫ることで、彫り作業の難易度を落とす工夫も。




最終デザイン:


これ!これです!

自分のイメージが設計図になったときの達成感。近未来的!


すべてNudgeさんのおかげですが、こういう見取り図的なものが好きなのでものすごく興奮(マニア)。




【6か月目】ついにできた!


1 月半ばについに完成写真が送られてきました!

実は年末に結婚指輪を紛失した(!)ため、ある意味とても良いタイミングでした。





【7か月目】インドからの配送に1か月(笑)


そして時は経ち、2 月中旬。

なぜかインドからヨーロッパ経由で輸送されたとのことで時間はかかりましたが、リングは無事にオーナーのもとに。ここで検品して問題なければ送ってくださるそうです。


今回、配送に時間がかかったこともあり、オーナーのご厚意でリングの内側に刻印メッセージを入れていただけることになりました(通常は+5,000 円)。


座右の銘は実はいくつもあるんですが、そのうちのひとつをもじって入れてもらいました。

工房立て込みのため刻印に少し時間がかかるとのことで、3 月頭に完了。



Bee Strong Stay Bumble


※Be Strong, Stay Humble(強く、謙虚であれ)のもじり。

Bumble はハチがブンブン飛ぶ音のこと。




【8か月目】日本からの郵送は一瞬だった


すべて完了したら、こんな素敵な写真とオーナーからのメッセージが載った注文ページが送られてきます。

購入ボタンを押してお支払いし、あとは楽しみに待つだけ!





配送はクリックポストでしたが、なんと中 1 日ぐらいで驚くほど早く届きました。パッケージにも心がときめきます!


▼右矢印をクリック!



さて、オーダーしてからできるまでの体験談をつらつらとお話ししてきましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。


私の商売は主に無形の Web ですが、こうして物理的なものを扱う職人さんの課題解決を知ることができ、個人的にもとても勉強になりました。なによりも、こうして世界にひとつしかないジュエリーを一緒に作り上げてもらえたことに感謝!

サイズも対面で測ってもらった甲斐あってぴったりフィットしており(サイズ測定もスキルの一つだそうです)、つけているのを忘れてしまうぐらいの軽さとさりげなさも完璧。希望通り毎日身に着けています。


追伸:リングが届いた翌日に、なくしたはずの結婚指輪が見つかりました。しかも、子どもが言うことをきかないので追いかけまわしており、ゴミ箱が倒れた拍子にその中から出現。これも運命か。



【補足】

  • 納期について

今回は複雑なデザインだったこともありイレギュラーとなりましたが、通常はオーダー確定後 2~3 か月のお届けとなります。

カウンセリング開始からオーダー内容の確定までの期間、また仕立ての内容により工数が前後しますので、ジュエリー完成のタイミングにご希望がある場合は別途ご相談ください。


  • 配送について

クリックポスト、およびヤマトの宅配便(+500 円)を選択できます。



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Nudge(ナッジ)について


2020 年 3 月設立。「BE you」をコンセプトに、ありのままで、のびのびと自分を生きるすべての女性を応援するジュエリーブランド。カウンセリングを通して世界にひとつだけのジュエリーを作り、それによって自分を知る・自分と向き合うサポートを行っている。

NUDGE とは「そっと背中を押す」という意味。



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SIJIHIVE(スージーハイブ)について


2018 年 2 月設立。日本・アメリカ・中国出身のメンバーが集まった多言語翻訳チーム。Web サイト・マーケティング・広告関連の翻訳を手がけるかたわら、自社ブログで働き方やセルフケアのヒントを発信している。



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著者プロフィール


Satoko( SIJIHIVE 代表)


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