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Work From Home に規律を、今取り入れたいポモドーロ・テクニック


昨今の状況により、テレワークに切り替えて自宅でお仕事する方が増えてきました。今でもほぼテレワークという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、多くの方は、会社と違って自宅には気を散らすものや誘惑が多く、集中するのが難しいと感じておられるようです。



オフィスではなく、中国やガーナの自宅で仕事をしてきた私にとっても「いかに集中するか」ということはずっと大きな課題でした。ガーナや中国では、アポなしで友人や同僚、近所の人たちが訪問してくることが多く、そのたびに歓迎して上がってもらい、ひとしきり会話を楽しむことが文化でしたので、外的要因で仕事が中断されることが多くありました。

しかし、今、日本で仕事をしていると、「突然の訪問客」は少ないにしても内的な要因、特にスマホでニュースやメールをチェックをさせようとする誘惑が絶えず襲ってきます。


これまで、集中して仕事をするためにいろいろな方法を試してきましたが、今改めて感じているのが「ポモドーロテクニック」の凄さです。このテクニック、最近では、IT を利用したコロナ対策で一躍有名になった台湾のデジタル大臣、オードリー・タンも使っていることで広く知られるようになりました。


個人的には、この方法を知ることで、テレワークの方が直面している集中力の問題のみならず、日本に蔓延している閉塞感から多くの方が救われるのではないか、と思うほどです。



「25 分働き、5 分休む」生産性向上のためのシンプルなルール


ポモドーロテクニックの仕組みは至ってシンプルです。


1. キッチンタイマーかスマホのアプリを 25 分にセットし、自分が発揮しうる最大限の集中力で仕事をする。


2. 5 分休憩して、タスクとは全く関係ないことをしてリフレッシュする。


3. この 25 + 5 分のセットを 4 回繰り返したら、15~30 分の長めの休憩をとる。


実は私自身、この方法を使い始めた頃はなかなか長続きしませんでした。

理由の一つは、この方法は集中力が途切れてしまうように感じるときには有効でしたが、翻訳の仕事が一旦「フロー状態」になると、25 分で時間を切ってしまうことがもったいない感じがして、最後までぶっ続けでやり切ってしまおうとするため習慣化しない…ということでした。

また、納期が迫っているときなどは、5 分の休憩すらもったいないので、ポモドーロテクニックを無視して、とにかくタスクを完了させることだけに目を向けていました。

しかし、今考えるとこういう「ポモドーロ崩壊」が生じてしまうのは、このテクニックの本質を理解していなかったことが理由だったように感じます。


このテクニックを考案したイタリアのフランチェスコ・シリロは、公式本(日本版は『どんな仕事も「25 分 + 5 分」で結果が出るーポモドーロ・テクニック入門(CCC メディアハウス、2018 年)』)の中で、タイマーだけでなく「やることシート」を準備して、一日のすべきことを書き出し、一つ一つのタスクを完了するのに「25 分 + 5 分」を 1 単位とするポモドーロがいくつ必要だったのか記録し、それを一日の終わりに振り返ることを勧めています。


そうすることにより、自分の仕事のペースを把握することができますし、ある仕事に時間をかけすぎているように思えるなら、改善することも可能になります。私も、そのことを普段から行っていれば、突然の仕事の依頼が来たとしても、何の準備もなく、ただがむしゃらに仕事に取り掛かるのではなく、落ち着いて「この字数だったら、ポモドーロがいくつ必要か」かを予測して、計画を立てることができたはずなのです。つまり、「ポモドーロ崩壊」は起きなかったはず、だということです。その作業時間の見積をする作業、私の中では、やるべきことや仕事を「ポモドーロ(イタリア語でトマト)」の箱に分配し、詰めていくようなイメージです。


もちろん、自分が経験したことがないような仕事をいただくこともありますので、時間の見積ができないことも多々あり、いつも目論見通りにいくわけではありません。しかし、それはそれで「やることシート」に記録しておいて仕事が終わったあとに振り返れば良いのです。それだけで、その日の達成感と、次の仕事への財産となります。



1 ポモドーロ単位で自分の一日を管理する


とにかく、大事なのはこの作業を続けていくことによって、自分の中に「時間を支配し、コントロールしている」感覚が生まれるということです。さらさらと流れていく砂が指の間からこぼれ落ちるような時間の付き合い方ではなく、ポモドーロの箱に時間の塊を詰めていくような感覚はとても心地の良いものです。


そして、この時間に対する感覚は、今すべての日本人が必要としているものではないかと思います。今の状況において、わたしたちが直面しているのは、経済的な不安だけでなく、「外出できない」「仕事できない」「人とおしゃべりできない」環境の中で、みんなが自分に対してもっている、ふわふわした感覚、つまりリアルさの消失のように感じます。


いままでは、「仕事」や「他の誰か」、「おいしいグルメ」や「おしゃれな服」が「わたし」という存在を定義づけてくれていたのですが、それが今の状況ではことごとく否定されているのです。


まずはテレワークの方だけでなく、自宅待機を余儀なくされている方も、まず一日のはじめに「やることシート」に「やりたいこと」を書き出してみるのはいかがでしょうか。「庭の草むしり」、「クローゼットの整理」、「読みたかった本を読破する」など何でも良いと思います。子どもにも是非「25 分 + 5 分」を一単位として時間割を作ってあげましょう。


そして、日の終わりにはポモドーロをいくつ積み上げることができたのか、「やることシート」にシールを貼りましょう。

シールの貼り具合をみて、一日の終わりに「自分(または家族)がポモドーロで今日やったことの証」を確認するのです。成果を視覚的に示すことでこれから改善すべき点が見えやすくなりますし、たとえ自宅で孤独にテレワークをしていたとしても、一日の成果を改めて振り返れば、達成感と同時に生き生きとした感覚が蘇ってくるものです。



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著者プロフィール

YOSHINARI KAWAI

2008 年に中国に渡る。四川省成都にて中国語を学び、その後約 10 年に渡り、湖南省、江蘇省でディープな中国文化に触れる。現在はアフリカのガーナ在住、英語と地元の言語トゥイ語と日々格闘中。


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