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執筆者の写真SIJIHIVE Team

「かみ合わない」をなくす:欲しい答えをスムーズに受け取る質問術


相手に質問をして、欲しかった答えが返ってくる ー そもそも質問とは答えを得るために投げるものですが、実際仕事でもプライベートでも、ドンピシャの回答が得られる確率はどのくらいだと思いますか?

特に、テレワークが普及してチャットやメールでのコミュニケーションが増えた今、文字だと意図が伝えづらいと感じる人も増えているようです。



パーソル総合研究所が約 2 万人を対象にして 2020 年 11 月に行った調査によると、テレワークに関する不安の中で一番多かったのは「非対面のやりとりは相手の気持ちが分かりにくく不安」で、回答した人は全体の 34.2% にのぼりました。


Zoom などのツールを使用して相手の顔は見ながら話せるものの、直接会って話すようなコミュニケーションは難しいですし、チャットやメールなどテキスト中心のやりとりにも限界があります。結果として「メールで質問したが返事がない」「返事が来たが曖昧な回答で、結局ほしい情報が得られなかった」ということが増えています。


そこで、今回はリモートのコミュニケーションで欲しい答えを引き出すためのコツについてご紹介します。


オンラインミーティングで欲しい答えを引き出す方法


英語で「 Zoom fatigue (Zoom疲れ)」という言葉があるのをご存じでしょうか。もちろん、Zoom だけに限らず、オンライン会議が私たちを疲れさせるということですが、リモートワーカーなら誰しもこの感覚、経験があるのではないでしょうか?


「ナショナル・ジオグラフィック」によると、人間は何も話していない時にも相手の姿勢や表情、息遣いなどから多くの情報をやりとりしていますが、オンライン会議では画面ごしで得られる情報に限界があるため、お互いに消耗してしまうのだそうです。


言い換えると、Zoom 疲れの原因は非言語コミュニケーションがとりづらいということかもしれません。オンライン診療がなかなか現実味を帯びないのも、医師は患者の発する言葉以外の情報にかなり依拠して診療をしているからとも言われています。


これは自分が欲しい情報を相手から引き出す上でも大きな障害となります。対面の会話であれば、相手の身振り手振りなどのボディランゲージから相手の気持ちをくみ取りながら、質問の方法や切り口を変えたり、少し沈黙を挟んで待ってみたりすることができますが、オンラインではそれも簡単なことではありません。



このような場合、大切なのは割り切ること。つまり、オンラインミーティングの限界を考慮にいれて、そこでは対面コミュニケーションと同じものを求めないということです。


では、どうすれば相手も自分も消耗することを最小限にし、充実したミーティングにできるのでしょうか?それは割り切って言語情報に集中する、ということです。例えば、カメラをオフにして視覚情報をカットし、消耗してしまう非言語コミュニケーションをやめたり、前もって相手に答えてもらいたい質問をリストにしてメールなどで送っておき、回答を考えてもらっておいたりもできるでしょう。


しかし、このように言語情報にフォーカスすると、結局テキストベース中心のやりとりになり、メール上でいかに充実した情報交換をするかという問題に帰結してしまいます。



メールのやりとりで欲しい答えを引き出す方法


まず誰もが念頭においておきたいのは、コロナ禍におけるメールを中心とするテキストのやりとりはコロナ前よりも格段に重要度が増しているということです。


例えば、コロナ前であれば、上司に送ったメールに回答がなくても、オフィスで顔を合わせたときに「そういえばお送りしたメール見ていただけましたか?」とツッコミを入れれば、上司も「あ、ごめん、ごめん。今、すぐに答えるよ」というやりとりが可能でした。

しかし、対面する機会が減った今は送ったメールに返信がなかったり、聞きたいことに回答がなければ、仕事が進まずイライラは募るばかりでしょう。下手をすれば、上司との、あるいは同僚同士やクライアントとの信頼関係も悪化してしまうことになりかねません。



以前の記事「解読不能?暗号並みのメールをかわす3つのコツ」の中では「リクエストは具体的にする」というポイントを取り上げましたが、ここではさらに踏み込んで実戦的な方法をご紹介します。


1.メールの件名を具体的にする

 単に「次回ミーティングについて」というようにテーマについて言及するだけではなく、相手にどんなアクションを起こしてほしいのかを件名に書きます。「問い合わせ」「回答」といったフレーズを織り込むのも効果的です。


2.箇条書きを用いる

 とかく日本人はメールにおいても丁寧に伝えることを重視し過ぎて、回りくどい表現を多用する傾向がありますが、その結果本当に尋ねたいポイントが文章の中に埋もれてしまいます。もちろん、メールであっても礼を失することがあってはなりませんが、情報をシンプルにするために箇条書きで整理するようにしてみてはいかがでしょう。


3.迷ったら返信する

 毎日たくさんのメールを受け取っている場合、「返信をしない=問題なし」という認識を持っている方は多いと思います。例えば、添付資料とともに「何かご意見がありましたらお聞かせください」というメールを受け取った側は「問題ない=返信不要」と考えるかもしれませんが、送った側が同じ認識でいるとは限りません。


ですから、「問題ない」ならば、「目を通しました。問題ありません、よくできています」などと一言反応すれば、相手をやきもきさせたり、不安にさせたりすることもないでしょう。


繰り返しますが、コロナ禍におけるコミュニケーションは決して以前のそれと同じではありません。いまいちど自分にとっても、相手にとっても心地よいコミュニケーションができているか振り返ってみることが大切です。



参考サイト:


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著者プロフィール


YOSHINARI KAWAI

2008 年に中国に渡る。四川省成都にて中国語を学び、約 10 年に渡り、湖南省、江蘇省でディープな中国文化に触れる。その後、アフリカのガーナに1年半滞在し、英語と地元の言語トゥイ語をマスターすべく奮闘。コロナ禍で帰国を余儀なくされ、現在は福岡県在住。



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