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【現役ナレーターが語る!】海外クライアントと仕事しよう:英語での受注の流れとポイント(その2)

更新日:4月14日


【現役ナレーターが語る!】海外クライアントと仕事しよう:英語での受注の流れとポイント(その2)

こんにちは、ナレーター、英日翻訳者、フラ講師の板羽柚佳です。


この道25年の現役ナレーターでありながら、英日翻訳者として他のナレーターさんたちのサポートもしています。たとえば、Voices.comUpworkFiverr などのクラウドソーシングサイトから海外案件を獲るべく邁進するナレーターさんたちがいらっしゃいますが、海外クライアントから業務受注するとなると DM(ダイレクトメッセージ)などのやり取りはすべて英語です。そんな場合に私が間に立って DM 翻訳のサポートをしています。


今回のブログは、受注するにあたってのポイントをご紹介する第2弾。日本人の感覚では理解しがたいオファー(つまり無茶ぶりオファー)や、文化や言語の違い、機械翻訳のことなど、いまひとつ要求されていることがわかりにくいメッセージを受けた際の対応のポイントや受注に際して事前の心構えなどについてお伝えします。



どんな心構えが必要?


スマホでダイレクトメッセージを送信

「ご縁」、「ご恩」などの言葉が浸透している日本では、やりとりをしている相手に対して言わずもがな配慮をするということが日常になっています。


「いつもお世話になっています」「今後ともよろしくお願いいたします」などいった挨拶や「恐れ入りますが…」や「お忙しい中ところ申し訳ありませんが」などといった相手の状況を推し量るクッション言葉、あるいは断りの返事をする際にできる限り相手が嫌な思いをしないよう「…できかねます」あるいは「検討いたします」などといった断言しない表現や優しい言葉を用いることが多いのですが、海外クライアントとのやりとりにおいてはこういった表現は避け、きっぱりと明言することをお勧めします。


日本人ならではの配慮やグレーゾーンを廃し、するのかしないのか、受けるのか受けないのか、わからないことや知りたいことを明確に伝えることで、海外案件の受注をより円滑に進めることができます。



遠回しな表現で答えるとどうなる?


スマホにダウンロードされた WhatsApp、Telegram、LINE、WeChat などのインスタント メッセージアプリ

あるナレーターさんの元へ、高音でかわいらしい声質のサンプルボイスデータとともに“We are looking for voices like these.”というメッセージが届きました。そのナレーターさんは低音ボイスであるため、「その声を出すことはおそらく難しいかと思われます」“It's probably going to be difficult to make that voice”と伝えたところ、以下のような返信が来ました。


‟It's okay. Please send it to me as a sample for now.”

「構いません。とりあえず、サンプルを送ってください」


困ったご本人からわたくしのもとへ「高音ボイスは対応していない」という内容の英文メッセージを送りたいと翻訳依頼の連絡が来ました。そこで“Unfortunately, my voice is low. I don't get a high tone voice like that so I’m not going to send you a sample voice.”という英文メッセージを提案させていただいたところ、しっかりお断りをすることができ、「将来的に何かあなたにやってほしい声があればお願いします」と返信が来たそうです。


ここでのポイントは2つ。


まず、“It's probably going to be difficult to…”と返信したことで、相手に、やってみればできるかもしれないと捉えられてしまったこと。


そこで、はっきりとお断りをするために‟Unfortunately,…” 「残念ながら…」と気持ちを伝えた上で、「自分の声は低く、高音は出ないからサンプルは送りません」と明言したことです。


オファーを受けられない残念な気持ちはしっかり伝えたうえで、できないことはきっぱりできないと伝える。そうすることで、次に繋げていくきっかけにしていくことが可能となります。



簡潔に伝える日本語文化と詳しく伝える英語文化?!


ウェブサイトや辞書を駆使して翻訳を行う女性たち

もうひとつ別のエピソードをご紹介します。


ある日、このような英文メッセージがあるナレーターさんのもとに届いたそうです。


‟by the way, do you take care translation order? I mean not translating from japanese to other language or vice versa. I mean can you do transcript japanese text from 1 japanese video?


ナレーターさんがこの文章を Google 翻訳にかけてみると、「ところで翻訳順は気を付けていますか?つまり日本語から他の言語に、またはその逆に翻訳しないということです。

つまり日本語のビデオから日本語のテキストを書き起こせますか?」となり、何のことやらさっぱり意味がわからず、結果的に私に翻訳依頼がかかりました。


そこで以下のように訳しました。


「ところで、翻訳の依頼には対応されていますか?日本語から他言語へ翻訳あるいはその逆という意味ではなく、日本語ビデオからの文字おこしが可能かどうかということです」。


初めに出てきた翻訳という言葉に引っ張られて、何を聞かれているのかがわからなくなってしまったようでしたが、要するに、文字おこしの依頼は受けていますか?ということを先方は知りたかっただけのようでした(笑)。


英語を母国語とする文化、特に米国では何か一つのことを話したり説明するのに、やたらと長々と話す傾向にある(悪口じゃないですよ!そんな感じがするというあくまで個人的な感じ方です(笑))があり、聴いているうちに何の話?となることがよくあるのですが、口語調で展開されることが多い DM ならではのエピソードでした。


ちなみに、依頼者へは、念のため先方に「文字おこし」について質問をしたかどうかの確認を入れてみるようお勧めしました。先方からの回答は “Right!”だったそうです。こちらの勝手な解釈で話を進めていくと信用問題に繋がりかねません。どんな些細なことでも確認することをおすすめします。



まとめ


小さな島国でみんな平和に仲良く暮らしていくため、できるかぎり相手が嫌な気分にならないように配慮することを心掛けてきたがために、日本語には他の言語にない独特の文化や言い回しがあります。特に日本国内では「空気を読む」ことのできる人こそが仕事のできる人という概念がありますが、英語を母国語とする文化では空気を読めることより、しっかりコミュニケーションが取れる人のほうが信用されやすいようです。


英語を勉強して相手のことを理解できるようになることはもちろん大切ですが、わからなければ、わからないとはっきり言い、できないことは、きっぱりとお断りすることが重要です。



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著者プロフィール


YUKA ITAHA


テレビラジオ業界でナレーターとして25年、フラ教室主宰15年とエンタメ業界一筋で生きてきたが、コロナ禍をきっかけに長年の夢だった翻訳業務を開始。ハワイへは年に数回渡航。日々変化していく生きた英語に触れながら、異文化間の思考の違いや取り組み方の違いを肌で感じ、その違いを相互理解しながら埋めていくための一助となるべく、目下、邁進中。

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